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加工品

室温摂氏26℃、冷たい素麺はあじ煮干しがいいかも

久しぶりに「あじ煮干し(マアジの幼魚の煮干し)」でとっただしで作ったつゆで食べる冷たい素麺がやけにうまい。マアジの煮干しは浅い味のだしになる。カタクチイワシの強くて、喉元を過ぎても残るというのではなく、あっさりしているのだ。ボクの故郷、徳島県美馬郡つるぎ町半田の杉本手延製麺の太めの素麺が、「あじ煮干し」のつゆにからむと、思いのほか深い味になる。みょうがを刻み、ちょっと贅沢だけど走りのすだちを絞り込んで、すすると名状しがたい味である。我が家で使っている煮干し類の基本はカタクチイワシ、ウルメイワシ、マアジだけど、マアジのよさをわかっていなかったかも。大阪に行ったら、煮干しを買いだおれするのだ。
加工品

神戸で焼いた、焼きあなごときゅうりの酢のもん

もちろん西日本全域で言えることだが、取り分け今回の、神戸(兵庫県神戸市中央卸売市場)は、着いた途端、「焼きあなご買わなくちゃ」、と思ったものだ。神戸旅をする人がいたら、「お土産は焼きあなごがいいよ」と必ず言い添える。ただ今回の神戸市中央卸売市場は、久しぶりだったのもあるし、ときに市場人の疾走について行くだけでヤットコサで、じっくり「焼きあなご」を探している余裕がなかった。加工者から直接買いたいと思っていたもののできなかったので、仲卸で購った。焼いたのは市場近くにある和泉水産である。マアナゴを開いて、ほんのり塩味(しおあじ)をつけたものが「焼きあなご」である。なので温めただけで、そのまま食べるのが基本である。いつも1尾の半分くらい焼いて、キッチンバサミで好みの大きさに切って食べている。百パーセント酒のつまみである。このような、ちょぼちょぼつまむといった酒の肴は意外にない。酒を飲みながらたっぷり食べるという年ではないので、理想的といってもいいだろう。
加工品

富山市『かね七』のうるめ煮干し

一般的なイワシ類の煮干しの中で、もっとも生産量の少ないのが、「うるめ煮干し」だ。めったに売っていないので見つけたら買う。我が家で使う煮干し類は年間3㎏弱なので、「うるめ煮干し」は年間1㎏どころか300〜400gくらいだろう。でも、いつもいい出しが取れるのでいい印象しかない。今回のものは新潟県のスーパーで見つけたもので、他の煮干し類と比べると、容量からすると高い。でも値段以上にいい煮干しだった。
加工品

小筋ウルメ丸干しがやけに高くなってい

例えば大阪市内の市場などの塩乾の店で、「小筋ありますか?」と聞いている自分がいるのに、よくよく考えてみると「小筋」という、いつの間にか使っている言葉のことを、ほんまに自分自身でわかっているんだろうか? と最近思い始めている。この「小筋」が高騰しているのもあって、気になってしゃーない。思い出してみると、京都中央市場の関連棟で聞いたのがお初だったと思うけど、自信がない。このようになんとなく使っているのに、その意味も出所もわからない言語は多い。ボクが「小筋」というときの「小筋」は小型のウルメイワシの丸干しのことだ。鮮魚のウルメイワシの小型を「小筋」と言うのか否かはわからない。いちばん最近、自分が使った記憶では大坂市木津の市場では、ちゃんと「小ウルメの丸干し」が出て来た。
コラム

栃木県足利市『稲葉納豆』のモーニング3

ボクは大上段に構えるのも、食通を気取るのも好きではない。我ながら平々凡々な人間なので、平凡が好きだ。近所に住む知る辺は「納豆は副将軍(茨城県タカノフーズ)に限る」という。ボクは軽やかで爽やかなものが好きなので、民を苦しめたり、ろくでもないことばかりやらかした水戸光圀の名とか、それにまつわる言語を冠したものはおいしくても買わない。だいたい日本史好きで水戸光圀が好き、という人間はまずいないだろう。
コラム

納豆図鑑 福島県川俣町、山木屋納豆

なんども書くけど、ボクのデータベースのテーマは地域性である。当然、旅に出たらその土地のものしか買わない。お土産として作られたものには、その土地の地名だけ使っているだけで縁もゆかりもない、詐欺的なものがあるが、これなど詐欺以上に犯罪だと思っている。その点、地納豆は最低限その土地で作られているもので、嘘がない。問題は大手のものと地納豆の差がないことだけど、旅に出たら、特にもともとの納豆県だったら、地納豆を探したい。川俣町は福島県伊達郡というのは福島県中通りと浜通りを画す阿武隈山地にある町である。広大な阿武隈山地にはこのような盆地、盆地にぽつん、ぽつんと、孤立するかのようにたくさんの町が点在している。福島県での阿武隈山地旅は盆地から盆地への旅だ。しかも鉄道が通っていない町が少なからずある。川俣町もそのひとつ。今回の「山木屋納豆」を作る『山乃屋』はそんな山間の川俣町のまた町外れにある。最初、このド派手なパッケージを見て、地域性はカケラも感じなかったが、ただの地納豆ではない、意気込みが感じられた。
加工品

高知県の食材9 朝市で買った、あじ煮干しでうどん

9月半ば、高知県高知市愛宕町の金曜市の塩乾などを売る店で、買ったものだ。通販をほとんど使わないボクには、段ボールから量り売りで買う煮干しがいちばんいい。味見できるし、好きな量買える。四国や西日本では当たり前のことだが、関東にはほぼない。せっかくなので売られている煮干しを全種類買い求めてきた。ボクが調べているのは地域と、地域性と、地域力だけど、高知を始め四国には多彩な煮干しという目立たないけど他の地域にはないものがある。これも重要な高知県を始めとする、四国の地域力だ。煮干しは日常的なものなので、帰宅してすぐからこの煮干し類を使い始める。まずは「あじ煮干し(マアジ煮干し)」から。大小合って大の方から使うが、大の方が安い。
郷土料理

10ヶ月目の塩ブリに早一年を思う

2024年8月19日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で北海道根室産11kgのブリを、もちろん丸ごとではなく、半身を買う。ちなみに最近、北海道のブリのほとんどが活ジメである。外れがない。刺身にして背の1㎏上を塩蔵する。塩鰤である。我が家の塩鰤は松本の市場で出合った方達と、市内の魚屋、岐阜県飛騨地方の魚屋で聞いたとおりのやり方である。本来は浜で作るものだが、最近、松本平や飛騨地方では家庭や魚屋で切り身で作ることが多いという。大量の塩でまぶし、翌日水が出たら塩を足してまたまぶす。これを1週間繰り返して、密閉する。以上は前回、前々回も書いた。塩ブリはときどき、気がついたように切り取って食べている。塩の中で回転させて長々と塩蔵にしたので、切り身の芯の部分にまで塩が入っている。
コラム

愛知県西尾市『すずみそ』の「豆つぶ」

愛知県は県全域が食材の迷路、迷宮である。スーパーに入ると必ず面白くて、使える食材に行き当たる。この独自性こそは愛知県だと思う。ちなみに愛知県といっても広すぎるし、人口もすごく多いので、地方ごとに分けた方がいいとも考えるが、その分け方がわからない。さて、『すずみそ』の西尾市は西三河になるが、ここには豊田市も含まれるのである。西尾市と豊田市はまったく色合いが違う。また西尾市でも矢作川近くと、幡豆町(はずちょう)では違う。『すずみそ』は西尾市というよりも幡豆町にある、と言った方がわかりやすい。三河湾に面しており、愛知県なので当然の如く、味噌は大豆麹大豆味噌で、大豆と塩だけで作る味噌の食文化圏である。
コラム

S&B味付料理用カレーは素敵

家庭料理はこだわりのない人が作った方がうまい、と思っている。調味料はこれじゃなければならない、とか、●●がなければいけないとか、うるさい人に限ってまずい料理を作る。昔、古い料理本をくれる人がいて、こだわりの料理を散々食べたが、どれもおいしいとは思わなかった。最高の食材、高い調味料、新鮮な野菜とバブル期そのものの料理だった。古い『専門料理』を大量に頂いたので、こんなことを言ったらバチが当たると思うけど、極楽までは届くまい。だいたい、そのような頑張りが見える料理を食べると味がわからなくなり、肩が凝る。日本中を回っているので、いろんなところで手作りの料理を食べているが、意外にもチャチャチャっと作った料理の方がうまい。料理はなんとなーく♪ 作るものだ。こだわりよりも、手抜きこそ、家庭料理の本道だと思う。このカレー粉も発見したときはやたらにうれしかった、ものだ。群馬県吾妻郡の農家の老人(ボクはそのときの、この方の年齢を超えている)が使っていたもので、すぐ真似をして買った。もう何年使っているのか忘れたが、必ず、常に、あるといったものだ。缶入りのカレー粉は使いにくかった。一振りするだけで使えるし、おいしいし、S&B味付料理用カレーは素敵だ。
加工品

謎の甲つきするめを作ってみる

コウイカ科のイカの特徴は「貝のような姿の動物」であった名残である、貝殻を体に有していることだ。貝殻は一般的には甲という。甲を持っているイカなので甲烏賊となり、科名(コウイカ科)種名(コウイカ)になっている。山間部に育ったボクに甲は珍しく、子供の頃、魚屋にお使いに行って、甲をもらって、うれしかった想い出がある。生物学者・谷田専治(1908年生まれ)は粉末にして歯磨き粉に用いる、…甲に彫刻して飾りものにする…止淋散と称して墨客に利用されると述べている。止淋散は不明。魚屋の中に乾燥して粉末にして血止めにするという人もいる。鯣(するめ)はイカの開いて干したもののことであるが、比較的大形の食用イカすべてで作られている。スルメイカは国内でたくさんとれ、鯣にもっともよく加工されるために、鯣烏賊と呼ばれるようになった。鯣に加工される主なイカは多い順にスルメイカ、ケンサキイカ、アオリイカのツツイカ類(体がスマートで貝殻がフィルム状)。シリヤケイカ、コウイカ、カミナリイカのコウイカ類である。ツツイカ類の鯣はスーパーなどでもよく売られているので、探せば手に入るが、コウイカ類の鯣を手に入れるのはなかなか難しい。コウイカ(ハリイカ)の干ものは徳島県鳴門市、阿南市で食べているのに、撮影し忘れるという失態をおかしているが、非常にローカルな食材である。そのコウイカ類の干ものに「甲つきするめ」がある。先に述べた谷田専治、軟体類学者・奥谷喬司の著書にあるし、塩乾加工の書籍にもある。長崎県雲仙市の佐藤厚さんはシリヤケイカ、コウイカで実際に作っていたとのことで、味はシリヤケイカの方がいいという。とすると「甲つきするめ」は主にシリヤケイカで作られていたのだろう。これは奥谷喬司がシリヤケイカは東シナ海でたくさんとれていた。「甲付するめ」にも製されていたということと一致する。
加工品

未来永劫残したい香住の焼にぎす

古くは浜で揚がった魚貝類の多くは鮮魚ではなく、加工して山間部や近くの都市部に送られていた。無塩(ぶえん)ものなどと呼ばれている鮮魚などは冬だけのものだったのだ。塩もの、干ものは今でも一般的だが、魚やイカを焼いて山間部や都市に売りに行くという地域は非常に少なくなっている。東北宮城県、日本海の新潟県から島根県などに残るが年々減少傾向にある。今でも比較的多く見かけるのは「焼きさば」である。サバ類以外で会社組織で成り立っているのは宮城県とこの兵庫県だけかも知れない。福井県以西では今、魚屋さんが朝方焼き上げて売ってることが多い。この中にあって沖ギス(ニギス)に特化しているのが浜貞商店、濱上栄作さんとそのお母様である民子さんである。工場内にはとてもいい香りが充満している。これだけで飯一膳といったもので、焼き上がるのを見ているだけでご馳走を食べているかのようである。『浜貞商店』の創業は昭和27年(1952年)だという。魚を焼いて加工する山陰にあって、ニギスに特化したのは大正解だと思っている。今や「焼きさば」の原材料マサバは日本海では加工用に回るほど水揚げされていない上に、全国的に見ても国産ではとても間に合わない状況にある。ニギスだけが地物で足りるのである。地産地消というが、「焼にぎす」は関西をはじめ、奥播磨などで人気がある。そのまま食べるだけではなく山間部など煮物などにも利用されている模様である。浜貞商店 兵庫県美方郡香美町香住区香住1806−4
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