202409/06掲載

秋のトビウオを今季初買い

気温は盛夏だけど、せめて秋トビウオで秋めきたい


ぜんぜん秋らしくはないが、秋のトビウオをつまみながら、外から聞こえてくるアオマツムシの大合唱に耳を傾けるというのもおつなものかも知れぬ。
ちんちろマツムシや、りーんりーんのスズムシ、るるるるるるるっのカンタンなんて贅沢は言いませぬ。

たたき(たたきなます)は名残のみょうがに、様々な香辛野菜を使って、トビウオの単調な味わいを彩っている。
不思議なもので刺身として食べると今イチだが、細かく切るとうま味を放出する面が多くなる、その面の多さと正比例しておいしさが増して感じられる。
しかもトビウオのおいしさは青魚特有のもので、それは皮にある。
ちなみに皮付きは新鮮でなければならないが、石巻産はその点でも優れていた。

少し単調な味わいにみそがとても相応しい


「なめろう」というのは「みそたたき」の千葉県版である。
ねぎではなく玉ねぎを使い、酢を周りに満たした。
やはり夏に酢は欠かせない。
しかもこの赤酢の深い味わいが、「なめろう」に合う。
少しみそ多めにしたにも関わらず、トビウオの味がちゃんと浮き上がってくるのも魅力的である。
今年は「みそたたき」に酢を使う時季が長引きそうである。

トビウオは市場で見つけた小さい秋


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にトビウオ科の魚が並んでいる。産地は宮城県石巻、羽を灯りにかざすと間違いなくトビウオである。
わざとらしいと思われそうだが、当たり前のことを必ずチェックするのが水産生物を調べる上で重要なのだ。
季節が壊れ、海水温の異常な上昇から、同定不能なトビウオがいっぱい市場に来ているので、油断は禁物なのもある。
市場で秋に来る、標準和名のトビウオ、通称「秋とびうお」を見たのは、これで3度目だ。
自分の通い箱に1本放り込んで、これが今季初、トビウオである。
帰宅して下ろす。
三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。
片方は皮付きのまま細かく切り、みょうが、ねぎ(もしくは玉ねぎ)、しょうが、青じそと和える。たたき(たたきなます)である。
それと同じ材料で、皮を引き、群馬県の麦みそとたたいて、千葉風の「なめろう」を作る。岡山県産赤酢を器の際に流し込む。

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トビウオのサムネイル写真
トビウオJapanese flyingfish海水魚。海の表層。北海道噴火湾、青森県八戸、小笠原諸島、沖ノ鳥島、仙台湾〜九州南岸の大平洋沿岸、秋田県、新潟県、富山湾・・・・
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