クロダイのみそ汁は夏なので濃い目
みそ汁はもっとも簡単でもっとも一般家庭に向いた料理である

神奈川県小田原から持ち帰った魚で処理済みのもの(塩をしたり、ゆでて干したり)がまだかなり残っている。
そんな魚の在庫を見てから八王子総合卸売センター・八王子卸売協同組合に行ったが、それほど欲しいものはない。
八王子総合卸売センター、福泉でなんとなくクロダイを買う。
小田原で話題に上ったからでもあるし、この日いちばん上等だったからだ。
帰宅してクロダイを下ろしながら、一般家庭にもっとも取り入れてほしい魚料理、みそ汁を作る。
中骨をとんとんと食べやすい大きさに切る。
ボクは魚の臭みに敏感なので湯通しして霜降りに、冷水に落とし鰭際のぬるを流し、水分をよくきる。
ちなみに沖縄本島泡瀬であったトビイカ漁師は、毎日飲むみそ汁、「いまいゆの魚汁(いうしる)」を作るときにはこんな面倒なことはやらない。
適当に切って、水で煮るだけだという。
考えてみると魚のみそ汁はいい加減に作るべきなのかも。
家庭料理に向上心はいらないと思っているが、魚が苦手だった過去は捨てられない。
差し昆布をした水に放り込み。
昆布はあくまでもボク流であるのでやらなくてもいい。
なににでも差し昆布をするのはボクのくせだ。
煮立てて、あくをすくって多めのみそ(長崎みそ)を溶く。
あとは、しょうがの搾り汁を数滴垂らし、ねぎを散らすだけ。
みそは多すぎるくらいのみそ汁だけど、やけに体に効くのである。
8月の大分県のクロダイは脂がのっていて、みそ汁の表面がギラついているし、強いうま味がある。
市場から帰り着いて、なかなか去らなかった熱気がとれる。
ちなみに先に述べたトビイカ漁師は、毎日飲むみそ汁、「いまいゆの魚汁(いうしる)」には、味の素的なものを入れるというし、チューブのにんにくも入れるという。
チューブのにんにくは恐くてまだ試していないが、家庭料理にはルール無用(ルールというのは害があるけど益はない)なのでやってみたい。