202406/22掲載

釣り師を悩ますアカササノハベラは今が旬

こいつを見てよだれを垂らす人は魚を知っている


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウの伊豆諸島通いのありがたいところは、関東では手に入らない魚が手に入ることだ。
伊豆諸島三宅島や利島周辺に多いのがモンガラカワハギ科の魚と、スズメダイ科、ベラ科の魚である。
なかでも取り分け多いのがアカササノハベラである。晩春から夏にかけて旬を迎え、体に厚みが出てくる。
体長20cmほどの小魚で、おちょぼ口で乱ぐい歯なので普通はハリス10号、シマアジ用の針で釣り上げられるはずがない。それを釣り上げてくるのがクマゴロウの名人芸なのだ。
さて、瀬戸内海あたりにいくと主にキュウセンだが、焼いたものがスーパーなどで売っている。見つけたら必ず買ってくるといったものだが、なかなか関東では手に入らない。
釣り上げてくるたびこっそり持ち帰って、キュウセンの代わりに焼いている。
最近、思うにキュウセンよりも身に厚みがあっておいしいかも。

このふんわりとした焼き上がりはベラ科ならでは


ちょっと前までは塩焼きにしていたが、最近、素焼きばかりを作っている。
塩焼きにすると身が締まるのが、素焼きにするとふんわりと焼き上がる。
これをショウガ醤油で食べる。
作り方など書くまでもない。
水洗いして、ベラ科は頭部に複雑な骨があってわずらわしいので落としてしまう。
水分をよくふきとって焼き上げるだけだ。
しょうが醤油と書いたが、柑橘類と醤油で食べてもうまい。
このベラの、味の実力がしみじみ堪能できる日々が、柑橘類が出回る時期と重なるのがまたうれしい。
意外に山梨の一升瓶白ワインに合う。

このコラムに関係する種

アカササノハベラのサムネイル写真
アカササノハベラRed naped wrasse海水魚。岩礁域。浅場に生息するが、ホシササノハベラよりも少し深場にいる。福井県、京都府舞鶴、福岡県沖ノ島・津屋崎、長崎・・・・
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