アカササノハベラ
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科ササノハベラ属
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外国名 | Red naped wrasse
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学名 | Pseudolabrus eoethinus (Richardson, 1846)
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漢字・学名由来 | 漢字 赤笹之葉倍良 Standard Japanese name / Akasasanohabera Richardson ジョン・リチャードソン(Sir John Richardson 1787-1865 スコットランド)、博物学者、魚類学者(ichthyology)。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。岩礁域。浅場に生息するが、ホシササノハベラよりも少し深場にいる。
福井県、京都府舞鶴、福岡県沖ノ島・津屋崎、長崎県野母崎、熊本県天草、八丈島、小笠原諸島、千葉県館山湾〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、沖縄島。済州島、台湾、福建省、香港。
生態
■ 産卵期は夏から秋。
■ 雄を中心に縄張り、ハーレムを形成する。
■ 性転換する。小さいときはすべて雌、産卵後群の優位にある雄が死ぬもしくはいなくなると、大きい優位にある雌が順番に雄に性転換する。
■ 肉食性で環形動物、甲殻類などを捕食する。
■ 岩礁地帯と砂地が連続するような場所に多い。
■ ササノハベラ属2種ではホシササノハベラが浅場に、アカササノハベラがやや深い場所に生息。
■ 寒くなると砂にもぐって冬眠する。
■ 昼活動、エサをあさり、夜眠る(休む)。
基本情報
古くはササノハベラ2種(アカササノハベラ、ホシササノハベラ)は1種類であった。分類の世界では2種でも、漁業対象として、流通上区別されることはない。
国内の浅い岩礁域に普通であるが漁獲量は安定せず、量的にも少ない。
関東ではベラ自体が安くて雑魚で、漁獲しても出荷することはなく、ほぼ流通しない。西日本ではキュウセンほどは馴染みがないものの利用されている。
安くてうまい魚なので、もっと人気が出てもいい。
珍魚度 珍しい魚ではない。ただし関東では希にしか流通しない。
水産基本情報
市場での評価 関東の市場などに来ることはほとんどない。雑魚なので値段も安い。これが西日本では味の良いのが知られており、安いが流通する。
漁法 刺し網、底曳網、釣り、定置網
産地
選び方・食べ方・その他
選び方
触って野締めは硬いもの。活け締めはできれば死後硬直していないもの。鰓が鮮紅色のもの。退色していないもの。
味わい
旬は春〜夏。
関東ではホシササノハベラよりも大型になるように思える。
鱗は薄く、皮はあまり硬くはないがしっかりして丈夫。骨は軟らかい。
透明感のある白身だがやや水っぽい。
煮てもあまり硬くはならない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
水洗いして頭部を落とす。水分をよくきりじっくりと焼き上げる。
皮の豊かな香りだけでも御馳走である。脂ののった春から夏には、身がとても柔らかく焼き上がり、豊潤でえすらある。
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
船でのカワハギやカサゴ釣りに混ざる。関東では人気がなくてすぐに捨てられるが関西ではキュウセンとともに人気がある。
歴史・ことわざなど
ササノハベラ1種だった 過去にはホシササノハベラとともにササノハベラとして1種であると思われていた。アカササノハベラはササノハベラの雌(メス)、ホシササノハベラは雄(おす)と思われていたのだ。
ベラの食文化 瀬戸内海、大阪湾など西日本ではよく食べられている。東日本ではあまり食べられることもない。
地方名・市場名
参考京都府農林水産技術センター海洋センター 場所京都府丹後半島
参考島根県水産技術センター 場所島根県全域
参考島根県水産技術センター 場所島根県東部
参考島根県水産技術センター 場所島根県西部
備考ベラ類の総称。 参考20190729 場所長崎県平戸市度島
ドジンゴ
サイズ / 時期小型 備考「くさび(ベラ類)」くさび」の小さいもの。 参考福畑敏光さん 場所長崎県平戸市度島
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
備考単に。ホシササノハベラと混同。 参考聞取、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所関東の市場、鹿児島県種子島
場所新潟県寺泊
備考ホシササノハベラと混同。 場所愛知県一色
備考ホシササノハベラと混同。 場所京都府網野町
備考ホシササノハベラと混同。 場所三重県尾鷲市、福岡県福岡市、神奈川県相模湾周辺
備考ホシササノハベラと混同。 場所佐賀県唐津市
備考ホシササノハベラと混同。 参考文献より。