羽幌・苫前・留萌・増毛、北海道西岸はボタンエビどころ

トヤマエビは50gを超えると値が跳ね上がる

留萌産トヤマエビ

一般的にボタンエビと呼ばれている標準和名のトヤマエビは山陰以北、北海道に生息している。
山陰や本州日本海側でも揚がるが、北海道にはとても敵わない。北海道でもとくに日本海側は凄いとしかいいようがない。
ボタンエビ(トヤマエビ)はタラバエビ属でも大型になる。100gを超える大型も珍しくない。
だいたい50gを超えると値がぐんと跳ね上がり、100g超えは豊洲市場などで値を聞くのもはばかれる。
ちなみに50gサイズは、いちばん知名度の高い甘えび(ホッコクアカエビ)と並べると親子に見えるほど大きいのである。
ホッコクアカエビと違うのは食感が強く、ぷりっとして口に入れるとボリューミーであることだ。

ミナミイセエビ属(Jasus)について

結婚式などでイセエビの代用品として使われている。
Species Jasus caveorum Webber & Booth, 1995
Species Jasus edwardsii (Hutton, 1875)/ミナミイセエビ
Species Jasus frontalis (H. Milne Edwards, 1837)
Species Jasus lalandii (H. Milne Edwards, 1837)/アフリカミナミイセエビ
Species Jasus paulensis (Heller, 1862)
Species Jasus tristani Holthuis, 1963


都内に来た時点でじわりと脚が動く

留萌産ボタンエビの刺身

生命力の強いエビで北海道西岸からの荷のパーチを剥がすと、まだ脚が動いていることがある。
実際、眼の前の留萌産55gを見ていると脚がゆっくり動いているのだ。
2、3本買って帰宅するや皮を剥くと実に剥きにくい。まだ殻と筋肉が密着しているのである。
エビ特有のタンパク質分解酵素があまり働いていない証拠である。
筋肉が分解することで甘味は増すが、ぷりっとした食感が失われる。
まだ生きている状態で口に入れると、この食感と甘味のバランスがいい。
頭部のみそも濃厚ではあるが苦みがほとんどない。

フグとは? 語源と由来

基本的にフグ目フグ亜目フグ科・ハコフグ科・ウチワフグ科の魚をフグというが、取り分けフグ科のフグこそがフグと考えても間違いではない。
「河豚は食いたし命は惜しし」という諺もあるようにフグ科の魚にはテトロドトキシンという毒を持つ種が多いのも特徴である。
考古学者の森浩一は、島根県大社町(現出雲市)にある縄文時代の、菱根遺跡から大量のフグの骨が出土したと述べている。フグは縄文時代以来の食用魚なのである。
非常に歴史的な食用魚で豊臣秀吉が朝鮮出兵のおりに出した「河豚禁食令」などで、食べられないときがあったのだとまことしやかに語られるが、あり得ない話である。フグは今日まで連綿と食べられていた。
フグの語源に関しては清水桂一の『たべもの語源辞典』によくまとめられている。本来はフグとは言わず、フクといった。フグとしたのは江戸での間違いである。
〈砂の中にいるゴカイなどを吹いて拾って食べるので、「吹く」がフクになる〉、〈(腹を)ふくらませるから、「ふく」〉、〈ふくらんだ姿が瓢箪(ふくべ)のようだからフクベの名がついた〉、〈フクルルトト(腫れるという意味か?)がフクトになり、フク・フグになる〉いずれにしろ体が膨れる魚という意味だ。
漢字、河豚は隋書にもあり中国のもので、国内では鰒である。「川の豚」とは河川に入ることも多いメフグのことだとされている。和漢三才図会には河豚として「ふくと」としていて、〔和名は布久、布久閉ともいう〕とある。



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