コタマガイ

代表的な呼び名コダマガイ

コタマガイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。[6cm SL以上]
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。[40mm〜65mm SL]
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。。[6cm以上]
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。[40mm〜45mm SL]
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。
72mm SL(殻長)前後になる。貝殻はオキアサリと比べると厚みがあるものの、ふくらみは弱い。若い個体は全体に丸味があり、後端は成長とともに伸びて少しとがる。腹縁は丸みがある。扇形で斑紋が非常に多彩。3本の放射状の筋があることが多い。

全関連コラム

珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目マルスダレガイ超科マルスダレガイ科リュウキュウアサリ亜科Macridiscus属
外国名
学名
Macridiscus melanaegis (Römer, 1861)
漢字・学名由来

漢字 小玉貝 Standard Japanese name / Kotamagai
由来・語源 由来ははっきりわからない。
『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)には『目八譜』よりとある。
「こだまがい」が本来の音で、東京周辺の呼び名からだろう。
小さいわけでもないのに小がつくのは江戸時代の「小玉銀(こだまぎん 豆板銀)」に似ているためかも。
Synonym
Gomphina melanaegis (Römer, 1861)
Venus melanaegis Römer, 1860

武蔵石寿
武蔵石寿(むさし・せきじゅ 玩珂停、明和3-万延元年 1766-1861)。石寿は号、本名は武蔵孫左衛門。250石取りの旗本。赭鞭会。本草学、貝類。西洋の新しい分類学も取り入れようとしていた。『目八譜』(掲載1064種)、『甲介群分品彙』(掲載605種)、『介殻稀品撰』など。現在使われている標準和名の多くがここから来ている。
目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。
地方名・市場名

概要

生息域

海水生。潮間帯下部〜水深50m。
北海道南部〜九州。朝鮮半島。

生態

基本情報

日本各地から入荷するが安定した産地はない。ときに波打ち際で大発生するが、安定してとれない。大型の二枚貝で見た目がいい割りには安い。
近縁のオキアサリに似ているが本種の貝殻の腹縁は丸みがある。
珍しさ度 珍しい貝ではなく食用貝だが、水揚げが不安定で探すと見つけられなかったりする。
熱を加える前 ゆでると赤く変色する。
熱を加える後 ゆでると赤く変色する。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は少なく不安定。やや高値。
漁法
産地

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもの。

味わい

旬は春から夏。
貝殻は厚く膨らまない。剥きにくい。貝殻は熱を通すと色落ちする。
身は熱を通しすぎると硬く締まる。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

コタマガイの料理・レシピ・食べ方/ソテー(バター焼、アヒージョ、チャーハン)、焼く(焼き貝)、煮る・蒸す(酒蒸し、煮つけ、煮合わせ、ぬた)、汁(みそ汁、潮汁)
コタマガイのバター焼き あっさりした味なので、バターの風味がとても合う。短時間炒めただけなので柔らかく、身に甘味がある。
剥き身にする。砂を噛んでいる可能性があるので流水で洗い、水分をきる。バターを溶かしたなかで短時間ソテー、塩コショウして味つけする。今回はゆでじゃがいもを一緒にソテーした。

コタマガイのアヒージョ ひもと貝柱水管だけだが、実にいい味が出ている。貝だけではなく、にんにく風味のオリーブオイルがとてもおいしい。
丸のままの剥き身でもいいし、水管やひも、貝柱などだけでもいい。小さなパンにオリーブオイル、にんにく、貝を入れて火をつける。
コタマガイのチャーハン 炒めたご飯に貝のうま味が移り、非常にこくのある味である。ご飯だけではなく、貝の剥き身にも甘みがある。
剥き身にして砂などを噛んでいるので流水でさっと洗う。適当に切る。フライパンに溶き卵を入れてご飯と貝の剥き身を加える。塩コショウで味つけするが、貝自体にも塩気があるので控えめに。
コタマガイの酒蒸し 身に甘みがあり、貝らしい渋味苦みもほどよく、いいだしが出ておいしい。
ザルなどにいれて流水でザクザクと洗う。水分をよく切り、熱した鍋にいれて酒を振りかけて蓋をして蒸らす。貝殻が開いたら出来上がりだ。熱を通しすぎると硬くなるので要注意。
コタマガイのぬた ほどよく熱を通した軟体は柔らかく、貝らしい風味もある。ネギ、酢みそとの相性もいい。
コタマガイは酒蒸しにする。貝殻と出て来た汁は分けて、剥き身にする。これをゆでたワケギと一緒に酢みそで和える。
コタマガイの焼き貝 醤油のこげた香ばしい中に、貝独特の香りが浮かんでくる。身に甘味、焼いて出て来た汁にうま味がある。
剥き身にして、砂を噛んでいることがあるので、ザルなどに入れて流水で洗う。水分をよく切り、片方の貝殻にのせて強火で焼き上げる。酒と醤油で味つけして、また少し焼く。
コタマガイと野菜の炒めもの 濃厚な味わいの汁にからめて食べる野菜がまず味わい深い。貝の身には甘味がある。
剥き身にして流水で洗って砂などを流す。水分をよくきり、酒・塩の中で貝とほうれん草をからめるように火を通す。
コタマガイの煮つけ 非常に短時間に醤油味で煮上げたので柔らかい。豊かな貝の味わいと風味、またほどよい噛み応えが楽しめる。ご飯に合う。
剥き身にして砂などを噛んでいるので流水で洗う。水分をよくきり、酒・みりん・醤油を煮立てた中で短時間火を通す。
コタマガイの潮汁 非常に豊かな味わいの汁である。汁だけでごちそうかも知れない。身は柔らかく甘味がある。
貝殻ごとざくざくと洗う。砂を噛んでいそうだったら剥き身にして砂を流す。これを水と少量の酒の中に入れて火をつけ、貝殻がひらいたら出来上がり。塩気はお好みで。
コタマガイのみそ汁 アサリなどと比べるとやや淡泊な味わいだが、身にほどよい甘味と貝らしい風味があって美味。
ザルなどに入れてざくざくとよく洗う。水分をきり、水から煮出してみそを溶くだけ。だしなどは不要。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

オオハマグリ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所三重県伊勢地方 
ミケコ
場所北海道石狩市浜益 
ナミウチガイ[波打貝]
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南 
ハマグリ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南・函館・小樽・岩内町、秋田県能代・男鹿半島・八森、千葉県銚子市・大網白里、伊豆半島、富山市、福井県、鹿児島県志布志 
テンブツ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県九十九里町 
チブチ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県大網白里 
ナベチョロ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県成東町 
チブツ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県成東町・九十九里町・大網白里 
ゼンナ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所千葉県銚子市・九十九里町・大網白里町・一宮町 
イシハマ
場所千葉県鴨川 
アサリ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所山形県庄内海岸、新潟県、富山湾・富山市、渥美半島太平洋側 
コダマガイ[小玉貝]
参考聞取、荷、阿部鮮魚店 場所山形県酒田市、東京をはじめ関東周辺 
ハタビ
参考20181228 場所徳島県徳島市 
フジガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所石川県鳳至郡能都町 
タツガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所福岡県福間町 
ヒラガイ[平貝]
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所茨城県 
ベッチャラガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所茨城県大洗町・那珂湊 
コゲイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所青森県下北 
ハマアサリ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所静岡県白須賀海岸 
イシガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所鹿児島県いちき串木野市 
イシゲ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所鹿児島県吹上浜 
アオサ
場所石川県河北郡 
ヒラアサリ[平浅蜊]
場所宮城県 
マサミズ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所岩手県陸前高田市小友町・米崎町・高田町 
オキアサリ
備考オキアサリと混同されていたよう。