202505/21掲載

熊野産サゴシと新玉ねぎの煮つけ

大皿に盛って、昼夜と食べ繋ぐ


ボクのモットーはできる限りではあるが、季節や気温などに逆らわないで生きること。
できる限り、生き物やエネルギーを浪費しないことだ。

葉玉ねぎが出たら買い、新玉ねぎが出たら買う。
その年の玉ねぎが干し上がったら、初夏だなと思うことも忘れたくない。
産卵期の親サワラではなく、若い個体であるサゴシにはあまり季節感はない。
年中安定しておいしい。
これも喜ばしいことだと思ったりする。

さて、そんなサワラの若魚であるサゴシと新玉ねぎの煮上がりは、見るだけですぐには皿に盛らない。
煮汁に手が入るくらいに冷めたら、ちょっと柔らかめなので、そーっと手で皿に移す。
煮上がりよりもこの時間こそが料理で、よりおいしくしてくれるからだ。
今回は甘こってり濃厚ではなく、あっさりした味つけを心がけた。
新玉ねぎの甘さを生かしたいからだ。

今回の煮つけはあまり塩分濃度が高くない。
でも味が強く感じられる。
サゴシのおいしいところがいちばん手前の方で感じられる。
なにしろ身が矢鱈にうまいのである。
うまいは甘いだけどうまい甘いが順番こにくる。
この甘いの中に新玉ねぎの甘いが加わっている。
別に甘いもん好きすぎるわけではないけど、甘うまい。

ついでに言っておきたいのは、新玉ねぎを一度に食べすぎないことだ。
サゴシの味が入った新玉ねぎで大盛りご飯が2杯はいける。
新玉ねぎだけで2食の飯が食えるのだから、この料理のコストパフォーマンスは非常に高い。
ただし、デブには悲しいおいしさなり。

サゴシは安くて、うんとうまくて、しかも料理しやすい


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に三重県熊野市から「さごし(サワラ)」56cm・1.277kgが来ていた。非常に手頃な値段だったので買った。
いろいろ作り倒したが、まずは刺身と焼霜造りから。
次が煮つけだ。

季節のものとできるだけ取り入れる


頭部とかま下を半割にする。
白子はていねいに取り分けて置く。
湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。
水分をよくきる。
酒・砂糖・醤油・水を煮立たせた中にサワラ、玉ねぎ、しょうがを入れて煮る。
煮上がりが近くなったら取り分けて置いた白子を入れてさらに煮る。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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サワラJapanese spanish mackerel海水魚。沿岸表層性。北海道南部〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、沖縄本島。東シナ海大陸棚域、朝鮮半・・・・
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