202504/17掲載
新物に喜びも半分の、ヒジキかな
ヒジキの初物に木の芽でも飾って、春を演出してみた

一色漁港(愛知県西尾市)の競り場に、新物のヒジキ(蒸しただけのもの)が並んでいた。
それを前に、買い悩んでいた買受人が少なくなかった。高すぎるのである。
新物のヒジキが欲しくて街中でスーパーをめぐったが探せど見つからない。
豊橋市のスーパーでやっと三河湾産を手に入れた。
今じゃ、ヒジキはとても庶民的とは言いがたい。
旅先でなければ買わない値段である。
温暖化のせいかも知れないが、海藻類の高騰がとまらない。
海藻の減少は過度な治水、自然海岸の減少と正比例する気がするのはボクだけかな。
毎年新物は買うことにしているが、たぶん2005年の2倍位している気がする。
今回のものは海辺で蒸し上げただけのもので、乾燥工程は経ていない。
この三河湾産の新物は非常に太く、柔らかくて、このまま食べてもおいしい。
今回は久しぶりに、油揚げ(辻豆腐店 豊橋市)と煮た。
「そうだ節削り節」のだしに、醤油と砂糖の味つけで、酒・みりんは使わなかった。
柔らかくたいて、優しい味わいに仕立てた。
ご飯の友になるぎりぎりの味の濃さである。
新物のヒジキは、毎年思う事だけど、うまいとしかいいようがない。
蒸し上げたり、煮たりして冷凍したもの、乾燥させたものにはない味がある。
これをどっさりご飯に乗せる。
春よ、ご飯と一緒に胃袋まで届け、なのだ。