202504/11掲載

塩釜産本マ、昨日のぶつ、今日ののり包み

本マのづけをのりとご飯で包んでまずいわけがない


本マの「ぶつ」を「づけ」にしたものなので、最近の小学生曰く鉄板のうまさ、である。
本マの比較的控えめな酸味が醤油で引き出されているし、うま味だって調味料と一緒になって強くなっている。
そこにマグロの筋のほどよい噛み応えが来る。
これを明石海峡の焼きのり(スサビノリ)とご飯で包むだけの手抜き料理だけど、あっと言う間の大御馳走とあいなる。
ちなみに焼きのりは一昨年頂いた明石の初摘み。
一昨年から去年、今年にかけて焼きのりを、いただきすぎて、やっと底が見えてきた。
明石浦漁協の焼きのりはとてもおいしかったと言っておきたい。

ついでにボクは故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)でいちばん不器用ものと言われた男なので、のり巻きが作れない。
なので、のり包みとなる。

昔好きだった皮汁を、今じゃ重すぎて持て余す


一緒に作ったのが、皮汁である。
昔、好きだったのでときどき作っていたが、最近、味が重すぎる。
鱗下の皮は脂の層でもあるので、脂汁でもある。
これが大好きでよく作っていたときは、都心に毎日のように出ていた。行き帰りの重労働のせいで、このようなものが好きたっだのかも。
最近、鶏ガラスープの昔ながらの中華そばは食べられるけど、今どきのラーメンが食べられないのと同じだ。
それでもこの脂っぽい汁がうまいとぞ、思う。

これがボクのある日の昼ご飯である。
これで、いくつ料理を作ったやら。
尾近い本マ1㎏は、非常に安い買い物なのである。

のり巻きが作れないので作る、のり包み


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産はマグロも扱っているので、1本が半分になり、半分をまた半分に切る。これで4分の1本だ。
この4分の1本をコロ(数等分)に切り、料理店に売る。
今も未来も、我が家は赤貧なのでいちばん尾に近い部分を、交渉して買った。

これで4日間、ぶつブツぶつブツを造る。
筋が多い部分なので、筋をできるだけ避けて適当に切るだけ。
以上は「ぶつ」で、食べ残しを醤油・少量のみりん、にんにく、しょうがなどの地に漬け込むと、「づけ」になる。
これを翌日、のり1枚を広げた上に5勺のご飯を乗せて伸ばし、づけを真ん中にして、わさびをつけて包む。

皮でだしを取り作る本マの皮汁


汁は皮とさし昆布でだしを取り、少し混合節だしを加える。
これを濾す。
皮は冷水に落として鱗をこそげ取り、適当に切り、だしで再度煮込んで、ねぎを加える。
これにて本マに本マだけの一汁一菜。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

このコラムに関係する種

クロマグロのサムネイル写真
クロマグロPacific bluefin tuna海水魚。外洋表層域。日本近海。朝鮮半島南岸・東岸、サハリン、千島列島南部のオホーツク海、アラスカ湾、北緯5-40度の・・・・
詳細ページへ
スサビノリのサムネイル写真
スサビノリNori海水生。潮間帯上の岩上、海藻につく、杭の上など。北海道西部、南岸、太平洋岸、瀬戸内海、九州。・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる