202410/01掲載

今季初ショウサイフグは素揚げから

初ものに安いフグ食う長月の夜


さて、強く握りつぶして骨と身をはずし(やってみるとわかる)じっくり素揚げにしたショウサイフグは、揚げてる最中からいい香りを立てはじめる。
この香りを楽しむためだけでも作りたいと思うくらいだ。
表面は硬いくらいだが、その下は焼き菓子のようであり、中心部分はしっとりとして豊潤である。
さくっとして香ばしいだけではなく、ショウサイフグ本来の味も楽しめる。
問題と言えば早食いしすぎることでしかない。

初ものは常磐もの。小さいけれど味はよし


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で今季初ショウサイフグを買う。
荷の作りから茨城県産とみた。
体長18cm・125g前後なので小振りである。
頭部と皮・内臓を取り去ってもらう。(フグ調理師がいる店なら、時間さえあればやってもらえる)
帰ったらざっと洗い、水分をきり塩を揉み込んでおく。
これを冷蔵保存しておく。
素揚げにする前に、塩をしたフグを強く握って感覚で骨と身を分離しておく。
水分をよく拭き取り、なにもつけないでじっくり時間をかけて揚げる。

ショウサイフグは皮と内臓を食べないこと


今、もっとも深刻な未利用魚はフグ科の魚である。せっかくフグの取り扱い条件が緩和されたのに、いまだにフグを遠い存在とみなしている人が少なくない。
フグは猛毒なんていう人がいるが、ふぐ取扱責任者が処理したフグなどもっと、日常的に食べてはいかがだろう。

ちなみにフグ類で高級魚といえるのはトラフグだけである。
今回のショウサイフグは、安くておいしいフグなのである。
余談だが、江戸三吟の松尾芭蕉の句、
あら何ともなや昨日は過ぎて河豚汁(ふくとしる)
の河豚は本種である可能性が極めて高い。

このコラムに関係する種

ショウサイフグのサムネイル写真
ショウサイフグGlobefish, Blowfish, Puffer海水魚。津軽海峡〜[兵庫県浜坂]・九州長崎県の日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡〜九州南岸の太平洋沿岸。朝鮮半島南岸・東・・・・
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