テングハギ

代表的な呼び名チヌマン

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体長60cm前後になる。前頭部に角状の突起があるが、それほど長くはない(幼魚にはない)。尾柄部の板状の骨盤は入り畳んだり出来ず、動かない。尾柄部の板状の骨盤は2つで新鮮だと青い。尾鰭は湾入し、上葉・下葉の後端は糸状に伸びる(幼魚は截形で湾入も、丸く張り出しもしない)。[44cm SL ・2.231kg]
体長60cm前後になる。前頭部に角状の突起があるが、それほど長くはない(幼魚にはない)。尾柄部の板状の骨盤は入り畳んだり出来ず、動かない。尾柄部の板状の骨盤は2つで新鮮だと青い。尾鰭は湾入し、上葉・下葉の後端は糸状に伸びる(幼魚は截形で湾入も、丸く張り出しもしない)。[神奈川県小田原市江之浦沖 47cm SL ・1.574kg]
体長60cm前後になる。前頭部に角状の突起があるが、それほど長くはない(幼魚にはない)。尾柄部の板状の骨盤は入り畳んだり出来ず、動かない。尾柄部の板状の骨盤は2つで新鮮だと青い。尾鰭は湾入し、上葉・下葉の後端は糸状に伸びる(幼魚は截形で湾入も、丸く張り出しもしない)。[神奈川県小田原市江之浦沖 47cm SL ・1.574kg]
体長60cm前後になる。前頭部に角状の突起があるが、それほど長くはない(幼魚にはない)。尾柄部の板状の骨盤は入り畳んだり出来ず、動かない。尾柄部の板状の骨盤は2つで新鮮だと青い。尾鰭は湾入し、上葉・下葉の後端は糸状に伸びる(幼魚は截形で湾入も、丸く張り出しもしない)。[神奈川県小田原市江之浦沖 47cm SL ・1.574kg]
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ニザダイ亜目ニザダイ科テングハギ属
外国名
Bluespine unicornfish 仏/Nason à éperons bleus スペイン語/Berbero de aguijon azul 單角鼻魚 
学名
Naso unicornis (Forsskål, 1775)
漢字・学名由来

漢字 天狗剥 Standard Japanese name / Tenguhagi
由来・語源 神奈川県江ノ島での呼び名にテングハギがあるし、和歌山県にテングハゲがある。
皮を剥いで料理する「かわはぎ」のひとつで目の前方に天狗の鼻を思わせる突起物がある。
倉場富三郎の『日本西部及び南部魚類図譜(グラバー図譜)』(倉場富三郎 長崎大学附属図書館 web版)にもテングハギ。

Forsskål
ペール・フォルスコール(ペーテル・フォルスコール)。ヘルシンキに生まれる。『諸動物の記載』【DESCRIPTIONES ANIMALIUM』(PETRUS FORSSKÅL,1732-1763 CARSTEN NIEBUHR,1733-1815】。『コペンハーゲンの教授ペーテル・フォルスコールによって東方への旅行中に観察された哺乳類、鳥類、両生類、魚類、昆虫類および下等動物の記載。著者の没後、カールステン・ニーブールによって編纂さる付録として海路の薬用草本〔の目録〕と紅海の地図を付す』。紅海東岸の魚類をミナミヒメジ、バラハタ、オオモンハタ、ナミハタ、ナンヨウツバメウオ、トゲチョウチョウウオ、モンツキクロハギほか。デンマーク国王フレデリク5世が後援して博物学者のフォルスコールが率いた6人のアラビア探検の途中、1763年マラリアのためにイェリームの町(現イエメン)にて客死。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。岩礁域、サンゴ礁域。
北海道函館市臼尻町(幼魚)、青森県下北半島〜九州南岸の太平洋沿岸、伊豆諸島、小笠原諸島、日本海各地、屋久島、琉球列島、尖閣諸島、南大東島。
朝鮮半島南岸、台湾、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、インド-太平洋。

生態

基本情報

北海道南部でも見つかっているが稚魚・幼魚である。成魚は関東でも珍しい。ただし、明らかに生息域は北に広がっている。本来はサンゴ礁などにいる熱帯系の魚だが、サンゴ礁の北上にともなって無効分散ではなく、成魚が生息域を広げている。
大型になり、味もいいので「ちぬまん」は沖縄県では重要な食用魚。スーパーなどにも並び、日常的な魚でもある。
珍魚度 本州などでは珍しい魚といってもいい。沖縄や鹿児島県島嶼部などで探す方が早い。

水産基本情報

市場での評価 関東などにも稀に入荷してくる。比較的安い。主に鹿児島県、沖縄では人気の食用魚でやや高値。
漁法 定置網、刺突漁
産地 沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は秋から春。
皮は革状で非常に丈夫で表面がざらざらしている。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いは弱い。熱を通しても硬く締まらない。
ニザダイなどと比べて臭味がない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

テングハギの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ、ポキ)、煮る(煮つけ、しゃぶしゃぶ)、揚げる(素揚げ)、焼く(素焼き、塩焼き)、汁(みそ汁)
テングハギの刺身 比較的水温の下がる時期には皮下に厚みのある脂の層ができ、身にも混在して白濁する。この脂の口溶け感がいい。甘いと感じるほどだ。食感もよく、魚らしいうまさもある。ウミンチュが好むわけだ。

テングハギのポキ(ポケ) ポキ(ポケ)はもともとはハワイの料理で、生魚もマリネといったもの。これが熱帯太平洋に広がっている。身を小さく切り、トマト、ねぎなどの野菜と和える。これをチリソース、しょうゆ、ごま油で味付けする。味つけも野菜なども自由にするといいかも。
テングハギの兜煮(煮つけ) ここでは頭部を使ったが、どこを使ってもかまわない。この場合、分厚い皮は剥いた方が食べやすいと思う。ここでは湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。これを酒・みりん・しょうゆ・水で煮た。みりん、砂糖などの甘味を加えなくてもいい。身は煮ても硬く締まらず甘味があって非常に美味。
テングハギの素揚げ 皮つき、骨つきのまま素揚げにしたもの。揚げたてに塩を振ってもいいし、そのままでもいい。皮は揚げても硬く食べにくい。身は表面はかりっとなかはジューシーに揚げる。振り塩をしないでしょうゆで食べるとご飯にも合う。
テングハギのバター焼き ここでは皮を剥いだが、そのままでもいい。塩コショウして多めの油でじっくり時間をかけてソテーする。身は適度にしまり、表面が香ばしい。中がしっとりと柔らかく、ほどよい甘味が感じられる。
テングハギの塩焼き(素焼き) 切身に振り塩をしてもいいし、素焼きにしてもいい。身側から火を通し、皮側で焼き上げるといいかも。表面の香ばしさに対して中はとてもジューシーで柔らかい。ほどよく繊維質で口に入れるとほろほろと崩れていく。
テングハギのしゃぶしゃぶ 三枚に下ろして皮を引き、刺身状に切る。これを昆布だしの中でしゃぶしゃぶしながら、好みの熱の通し加減で食べる。熱を通すと身はほろほろと舌の上でくずれて甘味が感じられる。とても美味。
テングハギのみそ汁 ここではあらを使ったが、腸管や腹腔膜なども使うとより濃厚な味わいになる。あらなどは一度湯通しして冷水に落としぬめりなどを流す。これを水から煮出してみそを溶く。非常にうま味豊か。ご飯にも合う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

テング
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所三重県熊野市二木島 
テングハゲ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺 
ツノハゲ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺市 
キツネハギ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県白崎 
アシナカデンボオ
参考文献 場所島根県松江市恵曇 
オキカリチヌ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都伊豆諸島・小笠原など 
オキブリチヌ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都八丈島 
ツヌマン
参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 場所沖縄 
ティルアニ
場所沖縄県南城市知念漁協 
チニマル
参考文献より。 場所沖縄県南城市知念漁協(美) 
マブユ
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県宮古島・伊良部島 
ツノマル
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所鹿児島県奄美名瀬 
チヌマン
参考文献より。 場所沖縄本島、八重山 
ジュジュマスイ
場所沖縄宮古 
ハゲ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所高知