202409/15掲載

メバルといったら煮つけに限る、かも

浅瀬にいるメバルは昔々から煮つけ魚

メバルの煮つけ

今年のことだが、豊洲市場の仲卸でメバルの分類に関する蘊蓄をとうとうとやられて不愉快になった。要するに標準和名メバルが2008年に3種類に分かれたという話だが、こんな耳にタコができそうなことをよく言うよな、と呆れる。
分類しながら歩いているので、最近、3種が見分けられるが、一般客にはどうでもいいことで、全部メバルでかまわないのだ。連れは分野こそ違うが分類の世界の人間なので思わず二人して笑ってしまった。
まあ、とにもかくにも、この浅場にいるメバルは、三種に分かれようとも全部煮つけてうまいのである。
3種とも、味も、見た目もほとんどかわらないので、一般人よ、メバルでいこうぜ、といいたい。

さて、今回のメバル(シロメバル)は生殖巣が膨らんでいなかった。だいたい11月前後に交尾して産卵、腹の中で稚魚にして冬に出産する。実はこの魚、産卵、出産と旬の関わりがよくわからないために、季節ごとに買っているのである。
見るからに見事な固体で煮ると透明な粒状の泡が煮汁の表面に散った。
脂があるので身が柔らかく、身離れがいい。
このシロメバルの産卵時期はわからないが、こんなにうまいメバルの煮つけは久しぶりである。

深夜に酒の友とし、翌日の煮凝りでご飯が、めちゃくちゃでござりまする、というくらいにおいしくて、ご飯、一膳が悲しかった。
やはりメバルは煮つけかな?

実に地味な姿で、クロメバルと比べると少し白いだけ

シロメバル,メバル

八王子綜合卸売センター、福泉に福島県相馬市からシロメバルが来ていた。当たり前だが水産の世界では単に「めばる」である。
体長23cm・342g は「めばる」としてはいちばんいいサイズだ。
「めばる」と言えば一に煮つけ、二に塩焼きだが、今回は煮つけを作る。
水洗いしてずぼ抜きにする。
わからなければ腹を割いて内臓を出す。
肝は取り分けて置く。
湯通しして冷水に落とし残った鱗やぬめりを流し、水分を切る。
これを酒・みりん・醤油・水で煮つける。
ここでは下ゆでしたゴボウを7分通り火が通ったところで加え、甘長唐辛子うぃ煮上がりに少し煮る。

このコラムに関係する種

シロメバルのサムネイル写真
シロメバルRockfish海水魚。沿岸の岩礁域、より内湾に多い。青森県〜九州西岸の日本海・東シナ海、東北地方太平洋沿岸、相模湾〜三重県の太平洋沿・・・・
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