202403/18掲載

小田原水揚げ相模湾二宮定置、イボダイ2尾を食べ比べる

水揚げ後11時間後なので、小田原以外ではとても手に入らない。


神奈川県二宮町で料理店を営む、Kai君(ボクと比べると遙かに若いので「君」でもいいかな)にイボダイを2尾、いただいた。ありがとう。
大小あり、大は野締め、小は活け締めである。そう言えば、最近、小田原ではいただきものが多いので、ほとんどお金を使っていない。
Kai君、二宮定置のみなさん、小田原魚市場の方々、買受人の方々には、まことに感謝しておりまする。
野締め、活け締めを食べ比べてみて欲しいということで、2日間にわたり、刺身で食べてみた(画像は2日目)。
ちなみにボクの故郷徳島県人はやたらに「ぼうぜ(イボダイ)」が好きだ。姿ずしなど名物でもある。
東京で魚を調べ始めた頃、いちばん不思議に思ったことは、東京都内ではイボダイを生では食べないし、干ものがメインだということだ。
刺身を出している料理店もあるが情報社会の今でさえも少数派である。
すしダネにもするが、必ず酢で締める。当然、漬ける店もごくわずかである。
神奈川県でも相模湾・三浦半島周辺では生で食べるが、横浜以北ではあまり生では食べない。
だいたい、関東ではイボダイではなく「えぼだい」と呼ぶ。「干ものの魚ね、」とわかっている人などいい方だと思う。スーパーに並んでいても気づかない人もいっぱいいる。
また、北海道から九州までの沿岸域に生息しているが主産地は西日本だ。ただし、東京豊洲市場で、相模湾産イボダイは群を抜いて評価が高いのである。

野締め大はもっともうまいサイズ


さて、持ち帰って、水産物の撮影、撮影準備、よしなしごとを終えて、水揚げ11時間後、午後3時の遅い昼ご飯のおかずに刺身を造る。
きれいな魚なので表面の鱗とぬめりをコシコシして取り、三枚に下ろす。
腹骨・血合い骨をとって皮を引き刺身にする。
ともに半身、半身である。
両方並べて食べるとほとんど同じようにうまい。
ウマスギGO! GO! と踊り出したくなるくらいにうまいというべきかも。
イボダイのうまさは、脂からの「うまい」はほどほどで、何よりもうま味成分の多さからの「うまい」だと思う。
ちなみに食感は活け締めの方がいい気がするが、結果的には互角とみた。
問題は、野締めは体長20cm・191g、活け締めは体長17cm・147gなのである。
イボダイは小さくてもうまいが、大きくて身体に丸味がある方がよりうまいのである。

活け締め小はイボダイとしては小さすぎる


活け締め小の奮闘ぶりはある意味すごい。
さて、翌日もほぼ互角だったけど、食感は小が上だった。
食感も味の内で、ほぼ互角ながら、微妙に活け締めの方が上かも。
味は2日目の方がよいと思った。
これは二宮定置での水揚げ時での扱いがいいためだし、Kai君のセレクトのお陰だろう。
それにしてもイボダイのうまさよ。
小田原だけではなく、相模湾のイボダイはすべて群を抜いてうまい。

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