202403/07掲載

涸沼のシジミと南会津の梁取みそ

茨城県涸沼は関東シジミの主産地のひとつだ


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に島根県産と茨城県産のヤマトシジミが売られていた。島根でもよかったのだけど、今回は茨城県涸沼産にしてみた。関東では両産地が基本的な産地だが、泥抜きは後者の方がやりやすい気がするからだ。このあたり島根県の水産技術センターにも聞いてみたいものだ。
ちなみに、彼の破滅的な、大大、大自然破壊を引きおこした利根川河口堰が出来る以前は利根川が主産地だった、ということも明記しておきたい。
石原慎太郎など、本質が見えない、ダマされやすい政治家は不要だと思う。

福島県南会津町の普通のみそだけど、おいしいと思う


今回は、福島県南会津町、『山田屋ストアー』で買った、「梁取みそ(山内麹店 南会津町只見町字梁取)」の味見も兼ねている。よく、みそをなめておいしい、なんて言う人がいる。ボクもそうだけど、ボクの場合は演技である。半分弱そう思っているだけ。
みそや醤油などの調味料はそのままなめても味はわからない。汁に使い、和え物に使い、焼き物に使って初めて真価がわかる。
最初は打ち豆のみそ汁を作ってみた。
打ち豆はボクが手に入れた限りでは、福井県・滋賀県北部から山形県の日本海側や福島県山間部で食べられている大豆食品である。大豆をうるかしてたたきつぶし、再度干し上げて作る。
今、この打ち豆の分布域を実際買って調べているが、共通する料理法はみそ汁である。
「梁取みそ」は山間部で作られているものなので、やや塩分濃度が強い。その分、使う量を加減すべきだ。塩分濃度は強めだが、なめるといい風味がする。
打ち豆のみそ汁は大豆のほくほくとした味わいではなく、野菜としての大豆というか食感を楽しむものだが、「梁取みそ」にとても合うと思う。

福島県のみそと茨城県のシジミの結婚


約8時間泥抜きしたヤマトシジミをざくざくと流水で洗い、水から入れて煮だして少量の「梁取みそ」を溶く。
「しじみのみそ汁」なので、味わいは同じだけど、「梁取みそ」を使うとすっきり軽い味になる。
意外に麹分が多くて甘い味噌よりも、この塩分濃度の高いみその方がシジミ科のシジミ類だけではなく、マルスダレガイ科のアサリにも合いそうである。
しかもだ、福島県のみそと茨城県のヤマトシジミを結婚させる、なんてロマンチックなんだろう。

このコラムに関係する種

ヤマトシジミのサムネイル写真
ヤマトシジミ英名/Japanese corbicula汽水域。北海道から四国九州までの汽水域。サハリン、朝鮮半島。・・・・
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