ヤマトシジミ
代表的な呼び名シジミ
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珍魚度・珍しさ | ★ いつでも手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★ 知らなきゃ恥 |
食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 二枚貝綱マルスダレガイ目シジミ上科シジミ超科シジミ科シジミ亜科シジミ属ヤマトシジミ亜属
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外国名 | 英名/Japanese corbicula
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学名 | Corbicula japonica Prime, 1864
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漢字・学名由来 | 漢字 大和蜆、大和四時貝 Yamatosijimi シジミの語源
■ 「シジミ」の呼び名は貝殻の表面に横じわが多数あって「縮貝(ちぢみがい)」からきている。小野蘭山も「シゞミ」とともに「チゞミ」、「チゞガイ」としている。■ 煮ると身が縮むから。 ■ 繁群れているから。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
汽水域。
北海道から四国九州までの汽水域。
サハリン、朝鮮半島。
生態
塩分を含む汽水域の砂泥に棲息。
雌雄異体、性転換する。卵生。産卵期は晩春(春)から秋口まで。
孵化するとトロコフォア、ベリジャー幼生期を経て稚貝になる。
成長は島根県宍道湖の例によると、1年で5mm、2年で10mm、3年で15mm、4年で18mmになる。
寿命は10年以上。
基本情報
北海道から九州までの汽水域にいる。流通上で単にシジミと言えばヤマトシジミのことだ。流通するシジミのほとんどが本種で、1万トン以上の生産量がある。代表的な産地は島根県、茨城県、三重県、北海道、青森県など。ただし汽水域という汚染や環境破壊が起こりやすい水域にいるために、激減して今日にいたる。
古くからの産地である利根川河口域は壊滅的な状況となり、愛知、三重県などの産地も衰退している。目先のお金に惑わされ、未来を考えない政治家と行政のための汽水域破壊はそろそろやめるべきだ。
日本人の生活に欠かせない二枚貝なので、国産だけではまかなえず、中国やロシア、韓国などから輸入もので補っている。
珍しさ度 比較的たやすくスーパーなどで手に入る。
水産基本情報
漁法 掻剥漁(貝掻網)
主な産地 島根県、青森県、茨城県、北海道、東京都、三重県
国内産地 北海道網走湖他、青森県十三湖・小川原湖、茨城県涸沼、千葉県利根川河口、愛知県、三重県木曽川河口、大阪府淀川河口、島根県宍道湖・神西湖。
ローカルな産地 兵庫県日本海側円山川、鳥取県東郷池・湖山池、徳島県吉野川など無数にある。
輸入 中国、韓国、ロシアなどからの輸入物が多くなっている。ここにはタイリクシジミ、バチガタシジミ、マシジミに近いもの、タイワンシジミなども含まれる。タイワンシジミは各地に進入して問題化している。
選び方・食べ方・その他
選び方
原則的には生きているもの。貝の表面につやのあるもの。
冷凍ものも非常に優れている。
味わい
貝殻は硬いが薄く、歩留まりがいい。
熱を通しても硬くならない。冷凍すると旨みが増す。
栄養
古くから肝臓にいいとされている。これは肝臓の働きをよくし、胆汁などの精製を助けるオルニチン、メチオニン、タウリンが豊富であるため。必須アミノ酸がバランスよく含まれている。ビタミンB12、B2が豊富である。
危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
ヤマトシジミの佃煮
身しじみ むき身のこと。滋賀県、京都府ではこう呼ぶ。
釣り情報
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歴史・ことわざなど
ひな祭(ひなの節句) 京都では雛の節句にしじみをたく。しょうがでたくことが多いという。これは全国的なものだと思っている。[聞取は20180619 京都東山区五条大橋詰・金屋町]
シジミ3種 国内でとれる食用のシジミは沖縄地方を除くとマシジミ、セタシジミ、ヤマトシジミの3種。流通するほとんどがヤマトシジミで、少ないながらセタシジミが流通する。マシジミはほとんど取り引きの対象にはなっていない。
寒と土用 「寒しじみ」という言葉と「土用しじみ」という言葉がある。「寒」にうまいのはマシジミ、「土用(夏)」にうまいのはヤマトシジミとされてるがはっきりしない。
深川しじみ売り 江戸時代より、深川方面(江戸時代深川には広大な汽水域があった)より「しじみ売り」が来ていたという。これに関しての文献を少しずつあげていくことにする。
しじみ売り 『石版東京図絵』(永井龍男 中公文庫)。明治後期から大正にかけてのしじみ売りが出てくる。
しじみとは シジミチョウとは「シジミのように小さな蝶という意味合い」。
俗語 「しじめっかい」:はやし詞に「内の中の蛤貝、外にでると蜆ッ貝」。すなわち内弁慶のこと。『明治東京風俗語事典』(正岡容 有光堂 1957)
俗語 「内の蛤、外の蜆ッ貝」:内弁慶のことで家内では活発で乱暴だが外に出ると臆病で静かであること。
地方名・市場名
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所佐賀県
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所愛知県刈谷
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所茨城県涸沼
場所関東を始め一般的に
場所陸中海岸
場所佐賀県
場所岡山県
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所愛知県
場所石川県
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所石川県小松市安宅