202509/12掲載

今季初トビウオは千葉県鴨川から

夏そのものの9月に食べる秋のトビウオのたたきなます


気象庁の夏は6月、7月、8月だが、9月も夏に加えた方がいい。
9月も半ばになって、いまだに耐えがたい暑さが続き、どう考えても残暑などとは言っていられない状況である。
残暑を見舞うのは10月になってからだ。
時季時季に時季のものを購入して食べること、季節に抗わないとこをモットーとしている人間にはやけに切ない時代になったものよ、と思う。
それでも9月になれば関東の海には秋の魚がやってくる。

今季初トビウオは千葉県鴨川からやってきた。
たぶん駿河湾でも、相模湾でも同じようにトビウオがやってきているはずだ。
何尾か購入してあれこれ作る。
最初は「たたきなます」だ。
トビウオの味は皮にあり、身は皮の添え物でしかない。
もちろん身の淡泊さを楽しんでもいいが、まずは三枚に下ろし腹骨、腹鰭の担鰭骨を取り、皮付き血合い骨そのままで薄く切りつける。

それに刻んだみょうが、大葉、にんにくと和えるだけだ。
天盛りにしたのは三重県尾鷲市の青い唐辛子「虎の尾」で、すだちを添えた。
食べる直前に好みの量の「虎の尾」を混ぜ込み、すだちを搾り。
醤油をたらして食べる。

トビウオは明らかに背の青い魚である。
回遊魚特有のうま味に満ちている。
わずかだが酸味があるのも特徴だろう。
おいしさの種類が豊富だとも言えるだろう。
「虎の尾」がその味のアクセントになる。
結構な「たたきなます」に、酒は新潟県新潟市内野町の「鶴の友」で、いい時間が過ごせた。

トビウオを見つけると秋が来ると思う


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に千葉県鴨川からトビウオがやってきていた。今季初トビウオである。
首折りトビウオは鮮度抜群、触ると堅堅だ。

暖流の申し子のようなトビウオは、海の上を本当に滑空する。
その名の通り飛び魚である。
日本列島には季節季節にトビウオ科のトビウオがやってくるが、秋にやってくるのは標準和名のトビウオである。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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