202311/26掲載

ホウボウはどうやってご飯を食べているのか?

ホウボウはどことなく昆虫に似ている


魚のご飯や、ご飯のとり方は口の形から想像できるのではないかと考えている。魚の口には様々な形がある。歯がない魚もいるし、歯がある魚もいる。
魚は、吸い込む、つつく、かじり取る、丸呑みにするなどいろんな方法でエサ(ご飯)を食べていて、それぞれに最適な口の形に進化しているのだ。
11月26日、まずは眼の前おかれた魚、ホウボウの口を見ていろいろ考えてみたい。

口が下向きなのは砂地など、底にいる生き物を食べているから


ホウボウは胸鰭の下の3つの軟条が昆虫の脚のようになっていて、歩くことができる。この軟条は歩行のためでもあるし、感覚器官でもありエサの存在を探ることができる。
口は前ではなく斜め下に開く、大きく開けるとシャベル状である。上顎の吻(最先端)に櫛状の小さな棘があり、少し反っているのは、たぶんこれで砂などの中にいるご飯を掘り起こすのだと思う。

口は意外に大きいが凶暴な感じはしない


大好きなご飯はエビやカニや、軟体類であるタコ、イカなどのゴカイなどの環形動物や小魚などである。このご飯達はとても弱々しく、さほど強い抵抗はしない上にそんなに硬くないのだろう。
ホウボウにも歯があるが小さいので、嚙んで殺したり、砕くなどのためではなく食べたエサを逃がさないためのものではないかと思う。
胸鰭は翼となり泳いでいるときの体の安定にも使われるが、むしろ日陰を作り、大好きなご飯である甲殻類の小さなシャコやエビやカニ、小さな魚のヒメジなどが後ろに逃げないように、威嚇してとうせんぼしているのだと思う。前に逃げたご飯をすばやくシャベルですくい取る。
こんな形の口の形だからこそホウボウは日々のご飯に困らないのだ。

このコラムに関係する種

ホウボウのサムネイル写真
ホウボウBluefin searobin海水魚。水深25メートルから615メートルの砂泥地。普通は比較的浅場にいる。北海道日本海沿岸・太平洋沿岸、津軽海峡〜九・・・・
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