202307/26掲載

ミナミアカエソは唐揚げだな

赤くてきれいだけど骨だらけ

ミナミアカエソ

関西や四国の居酒屋と関東の居酒屋で、料理の価値観・重要度が、今でも大いに違っていると思っている。
例えば汁である。関東では料理のひとつではなく、締めの握り飯についてくるだけの付属的なものでしかない。関西で粕汁などは酒の肴のひとつだし、いろいろ工夫がなされている。
そして魚の唐揚げである。大阪などで居酒屋ののれんをくぐると必ず、「がしらの唐揚げ」がある。魚の唐揚げは関西では高級だし、ごちそうでもある。ガシラは標準和名のカサゴのことで木津の市場などでこまい(小さい)カサゴがぎょうさん売られているのは唐揚げ用だ。
これが東京では片隅に追いやられている感がある。東京などでは油が汚れるといって作らない店まである。大阪のようにごちそうだという概念がないので、高い値段がつけられないこともある。
四国生まれなので、関東の居酒屋で粕汁や魚の唐揚げがないのは実に淋しいと思っている。
八王子綜合卸売協同組合、マル幸、クマゴロウが銭州で釣り上げた中にミナミアカエソがあった。面白いもので江ノ島や平塚、小田原などに揚がるのはアカエソで銭州や三宅島で揚がるのはミナミアカエソなのだ。
現在、銭州、御蔵島のものは15個体検索してすべてミナミアカエソである。

片身が一瞬でなくなる、そんな味だ

ミナミアカエソの唐揚げ

さて、ミナミアカエソだけではなくアカエソもそうだが、身(筋肉)、皮がとてもおいしいけれど細くて長い小骨が無数にある。
久しぶりに「がしらの唐揚げ」ならぬミナミアカエソの唐揚げが作りたくなる
大きい個体なので1人前半身でいい。
水洗いして三枚に下ろす。ちなみに鱗つきでも大丈夫だが、好みの問題がある。
水分をよくきり、片栗粉をまぶして少し置く。
表面の粉々しさがとれたらじっくり二度揚げする。
あとはかぶりつくだけ。
酒はすだち入りの麦焼酎が今のボク好み。

このコラムに関係する種

ミナミアカエソのサムネイル写真
ミナミアカエソClearfin Lizardfish, Two-spot Lizardfish, Variegated Lizardfish海水魚。浅い岩礁域やサンゴ礁の砂地だとされているが、伊豆諸島などの釣りでの水深から考えると生息水深は、水深60-80m前・・・・
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