202307/25掲載
面の皮の厚いイラは清蒸だろう
頭がデカイっていいことだ
イラの清蒸
八王子綜合卸売協同組合、マル幸、クマゴロウが銭州で釣り上げたイラはいろいろ料理して、すべて美味であった。
ベラ科の魚が今ひとつ人気がないのは漁獲後の扱いの問題であって、魚屋であるクマゴロウなどが締めると俄然上物となる。
さて、魚類学者の内田恵太郎は本種はしばしばコブダイと混同されるという。例えば和歌山県などでイラはコブダイのことでもある。またイラをカンダイ(コブダイの地方名)と呼ぶ地域もある。共通点は体高があり、頭の大きいことと頭部の皮がぶよぶよと柔らかく厚みがあることだ。
この皮ぶよぶよというと清蒸(蒸し魚)だよな、と思うのはボクだけではないと思う。熱帯域ミクロネシアなどで、大型のハタ類が減少したのは清蒸にしてうまいからだと現地の方から聞いたことがある。危険な密漁までしてとってペイするのは清蒸にしてうますぎるからだ。
ところが温帯域ではそれに代わる魚がわんさかいるし、しかもそんなに高くない魚ばかりなのである。
本種などその代表格だ。面白いのはマダイなどで作っても平凡だし、スズキやブリで作ってもそんなにうまくない。面の皮が分厚くなくてはだめなのだ。