202510/14掲載

高知名物「ケンピ」についてのボクだけの歴史認識

徳島県の田舎の小学生は高知県に修学旅行で行った


半世紀以上前、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)貞光小学校の修学旅行は高知だった。
徳島県美馬郡の小学生はみな高知が修学旅行先だったようだ。
高知城、牧野植物園、龍河洞、桂浜・龍馬像などに行き、尾長鶏を見た記憶がある。
ボクなど旅行先で泊まるのが初めてだったので、まずは旅館に興奮した。
このところ、中村吉右衛門や北杜夫の半生を読むと、学齢前からたくさん家族旅行をし、ホテルなどに泊まっている。
貞光の子供達は正真正銘の田舎者だった。

お土産を買うお金と、小遣いを持たされて行ったが、買ったものを同級生に聞くと刀とか木刀、ペナントだというが、ボクは食べ物ばかり買っている。
家族などにも教わったのもあるが、買ったものは金槌がついているカツオかクジラの形の飴、ケンピだ。

ボクにとってのケンピはこれ、なんだけれど


ケンピは細長くて非常に硬いビスケットのようなもので、ボクにとってのケンピは、これである。
ケンピの由来や歴史はネットにあるので書かないが、半世紀前、ケンピと言えばこれだった。
この高知県ケンピ事情がおおいに変化しているようである。

今回、ボクがケンピだと思って買ったケンピは『オオクラ製菓』(高知市上町)のものだ。
昔はやけに硬かった記憶があるが、これはちょっと硬めのビスケット的なものでしかない。
結構いけるけど、こんなに柔だったかな?
この半世紀以上前のケンピは、今や非常にローカルで日陰の身となっているようだ。

今、高知でケンピと言えば塩ケンピだ


今回お世話になったサッポロビールの柴田さんにとってのケンピは、サツマイモが原料のケンピである。
正式には「塩けんぴ」というらしく、『南国製菓』(高知県高岡郡四万十町見付)のものが有名らしい。
初めて買ったら、サツマイモで作ったかりんとうのようでもあるし、揚げたサツマイモそのもののようでもある。
手提げになっている大きな厚ビニールを買ったとき、柴田さんは「あっと言う間に食べられます」と言ったが、ボクは1週間かかった。
若い頃に食べたら、さぞや夢中になっただろう、と思う。

水産加工品としてはとてもよく出来ている


高知県には幡多郡大月町で作っている「きびなごケンピ」というのもある。
大月町といえば八重丸水産が作っている「きびなごケンピ」という人もいるくらいなので有名なのだろう。
これは義助煮のようだけど、よりさくっとして食べやすい。
地元の原料を使っているので本格的なものである。
おやつになるが、ビールにも合う。
余談だが、同じく大月町には未来鮮魚「きびなごげんきくん」というものもある。

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