202508/17掲載
福井県越前の「甘エビの塩いり」
塩いりは生よりもゆっくり楽しめておいしいかも

〈小魚の塩いり 《材料》ババガレイ(ムシガレイとあるがヒレグロの間違いだと思われる)、アカラ(イトヨリとあるがハツメの間違い)、ハタハタ、甘エビ、塩、酒
その日とれた小魚類を塩味だけでいり煮した、いたって素朴なお惣菜である。一部略〉『味のふるさと 福井の味』(角川書店 1978)
このシリーズの本はプロの割り付けがなされ、しっかり監修もされていて、大きな間違いがないなどとても優秀である。
「越前・海の幸」とあるので、福井県三国(坂井市)から越前町あたりの料理と言うことになる。
今回の作り方は、書籍の記述だけではなく、三国同様「塩いり」を作る石川県加賀市塩屋での話も参考にした。
といっても料理法などというような複雑なものではない。
少量の水にやや多めの塩とほんの少しの酒を加える。
煮立った中に、ざっと水洗いした「甘エビ(ホッコクアカエビ)」をいれて箸で動かしながらいり煮する。
ほんの1分かからず火が通る。
火を通しすぎると身が痩せる。
酒を加えたのと加えていないのを両方作ったが酒は必ずしも誓う必要はないとみた。
食べやすいのが何よりもいい。これならおやつにもなる

これが非常においしい。
殻はわずらわしいが、頭を取とると剥きやすいし、途中でちぎれても尾の部分を指で押さえながらすすると、するりと口に飛び込んでくる。
生よりも甘味が強く、エビらしい風味もある。
頭部のみそもおいしい。
売れ残りの特売品でも作れる、とても重宝な料理である。
しかも温かくても冷めてもともにおいしい。
個人的には冷めた方がいいかも。