コイのあらのみそ汁

マトウダイ属(Zeus)について

世界中に2種。「Zeus」はギリシャ神話の全知全能の神、ゼウスを思わせるため。
Species Zeus capensis Valenciennes, 1835/Cape dory/西インド洋、モザンビークから南アフリカ
Species Zeus faber Linnaeus, 1758/マトウダイ/John Dory, Saint-Pierre/東部大西洋北海から南アフリカ沿岸、地中海、紅海、インド洋、西太平洋


タラバエビ科(Pandalidae)について

生で食べるタラバエビ科の小型エビを甘エビ類、もしくはアカエビ(赤えび)類と言う。
タラバエビ属にホッコクアカエビ、北大西洋などにいるホンホッコクアカエビ、トヤマエビ、ボタンエビが。
モロトゲアカエビ属にモロトゲアカエビ、ヒゴロモエビなどがある。
ミノエビ属の仲間も少ないながら利用されており、国内で上がるミノエビ、アカモンミノエビ、輸入もののマルゴシミノエビなどがある。
もっとも早くから注目されたのが一般に甘エビと言われるホッコクアカエビ。北海道などで上がるトヤマエビがそれに次ぐ。トヤマエビは流通状ではボタンエビと言われ、一般的にもボタンエビで通っている。これに対して標準和名のボタンエビがあるので混乱が生じている。このような例は一般にブドウエビと呼ばれているヒゴロモエビなどもある。
Genus Atlantopandalus Komai, 1999
Genus Austropandalus Holthuis, 1952
Genus Bitias Fransen, 1990
Genus Chelonika Fransen, 1997
Genus Chlorotocoides Kemp, 1925
Genus Chlorotocus A. Milne-Edwards, 1882
Genus Dichelopandalus Caullery, 1896
Genus Dorodotes Spence Bate, 1888
Genus Heterocarpus A. Milne-Edwards, 1881/ミノエビ属
Genus Heteronika Hendrickx, 2019
Genus Notopandalus Yaldwyn, 1960
Genus Pandalina Calman, 1899
Genus Pandalus Leach, 1814 [in Leach, 1813-1815]/タラバエビ属
Genus Pandalopsis/モロトゲアカエビ属
Genus Pantomus A. Milne-Edwards, 1883
Genus Peripandalus de Man, 1917
Genus Plesionika Spence Bate, 1888/ジンケンエビ属
Genus Procletes Spence Bate, 1888
Genus Pseudopandalus Crosnier, 1997
Genus Thalassocaris Stimpson, 1860


佐原はコイの町


ボクが勝手に利根川ハイウェーと呼んでいる利根川の撮影を終えて、久しぶりに佐原の町を歩く。
下総佐原(千葉県香取市)は江戸時代の大動脈利根川・江戸川屈指の港であり、流域最大級の商工業の町であった。酒蔵があったり古い金物店があったりと来る度に発見がある。江戸の風情もあり、明治、大正、昭和の町並みも残る街くらい楽しいところはない。
佐原を含む千葉県と茨城県にまたがる利根川・霞ヶ浦・外浪逆浦あたりを、「ちばらき」という人がいる。農産物にも水産物にも恵まれた地味豊かなところで、淡水魚貝類の宝庫だった。利根川漁師さんなどに聞くと、昔は米よりも淡水魚の食に占める比率が高かったという地域で、銚子から来る海水魚は贅沢なものでめったに口にできなかったという。
そして今でも淡水魚を食べる文化は残っている。佐原は今、表面上は典型的な日本の観光地だが、一歩生活の場所に踏み入れればちゃんと淡水魚が食べられるし、買えるのである。
「ちばらき」周辺でも淡水魚を食べる文化は衰退しつつあるのかも知れない。ほんの十数年前には、コイの甘煮用の切身、洗い、あらなどを買うのは簡単だった。産地でしか手に入らない、コイのあらは1尾分(1尾を料理してくれると必ずあらをつけてくれた)ではさびしかろうと、内臓たっぷりのあらをおまけしてもらったこともある。それが今や確実に淡水魚が買える店が減ってきている。ちなみにコイは肝などの内臓がいちばんうまい。次いで真子・白子でいちばん魅力を感じないのが身(筋肉)だ。
当然、佐原で真っ先に確保したのがコイの切身とあらだ。余談だが、これに醤油、みりん、酒を買えば佐原旅は完璧だ。

コイのあらはお宝である


あらで作るのはみそ汁である。千葉県でもこのあたりはコイのみそ汁をご飯のおかずによく食べていた。洗いや甘露煮に加工した残り、あらなどをもらってきてみそ汁にするのがいちばん安いおかずだったらしい。
スーパーでコイの甘煮、切身を買い、奥の方にあったコイのあらはなんと150円しかしない。まさかコイの切身以上にあらが欲しいとは言えないので買ったコイの切身だが、ちゃんと甘煮も作って食べたので悪しからず。

豆味噌を加えるべし


産地では生きている状態で洗いを作り、あらも同時に作るので、水からそのまま煮てみそを溶けばいいが、持ち帰って翌日作るときは必ず湯通しをする。冷水に落として表面のぬめりを取るが鱗はおいしいので取らないのが肝心。
みそはなんでもいいが、愛知県、三重県、岐阜県などで作られている豆味噌を少し加えると俄然うまくなる。

味は日日変化する


湯通ししたあらは水分をよくきり、酒、水を合わせた中に入れて火のかけて煮る。煮えてきたらみそを溶き、ことこと30分以上煮る。
みそ汁は当日を含めて、3日間に渡って食べる。皮や身はとろとろになってくる。この煮返す度の味変がとてもいいのだ。
ちなみにコイを食べていない人に限ってコイが嫌いという。実はコイを食べてコイをまずいという人はほとんどいないのだ。

汁はだんだんどろっとしてポタージュのようになる


3日間ご飯のおかずに食べたが、飽きの来ない、食べてまた無性に食べたくなる味である。もちろん1尾丸ごとで鯉濃を作った方がゴージャスではあるが、利根川漁師に習い、あら汁で我慢する。
ちなみにコイのみそ汁でやる常温の酒は抜群にうまい。


関連コンテンツ

サイト内検索 (Google)

その他コンテンツ

ぼうずコンニャク本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。