202302/04掲載
ニシン印籠焼き
立春に、ニシンの印籠焼き
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市場は北海道産ニシンだらけだった。きっと関東のどの市場でも同じだと思う。一時は鮮魚での入荷すら減り気味であったのがここ数年持ち直している。しかもサンマでつちかった流通技術によって鮮度抜群、生で食べてもいけそうなものばかりだ。
買い求めたのは節分前だけど、これは明らかに春ニシンだと思う。北海道根室産31cm SL ・386、420gは実に立派である。
マリネや揚げ物も作りたいけど、初春ニシンは素直にいちばん食べたい塩焼きにする。
筒状にして何かをつめて料理したものを印籠○○という。漬物の印籠漬け、イカの印籠煮などだ。印籠焼きというのがあるのかないのか、我が家の辞書類、起源辞典などには見つからないが、勝手に名づけて印籠焼きとした。
要は数の子(鯑)、すなわち真子持ちを短い筒切りにし、振り塩をして焼き上げたものである。
一般家庭では1尾丸ごと子持ちを焼くのは、真子の火が通りにくいので難しい。焼き台でもなければ無理だと思う。要は焼きやすい形に切って焼くだけだけど、形が印籠めいているというわけだ。
子持ちのニシンは鱗をとり水洗いする。頭を落として真子を傷つけないように内臓を取る。筒切りにして水分をよくきり、振り塩をして、できれば密封して1日寝かせる。後は焼くだけである。
全体が丸ごと香ばしく、身も真子もやたらにうまいが、真子だけ取り分けてちびちびと燗酒をやる。人生捨てたもんじゃないと思うときだ。
酒は近所のスーパーで買った白鷹。この白鷹熱燗と印籠焼きで3日楽しめた。