202501/29掲載

キジハタの鍋は、「煮込む鍋」

ハタ科は丸のまま買うと1週間以上楽しめる


鹿児島県鹿児島市、田中水産さんから来たキジハタは1週間以上かけて余すところなく食べた。
錦江湾で揚がったもので、言うなれば鹿児島市の前浜ものといっていいだろう。
ひょっとしたら桜島の噴火を見て育ったのかも、でごわす。

2キロほどの個体だったが、無駄なく食べられたのは鍋に使ったためだ。
刺身や湯引きにして食べた後の、兜やかま、鰭際などが、むしろ身以上にうまい、という当たり前のことが鍋でわかる。

作り方は簡単である。
頭部、腹骨やかま、皮、胃袋を食べやすい大きさに切る。
湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。
これを二番だし(平子煮干し・昆布のだしでとった後にまた水を加えて煮て、追い鰹をする)に昆布だしを加え・酒・塩で味つけしたつゆで煮ながら食べる。
念のために、二番だしは必ずしも必要ではない。

野菜などはあるものならなんでもいい。
これを煮ながら食べるのだけど、ハタ科の魚の鍋はある程度煮ないと硬い。
ちょうどいい煮え加減を皿に取り、柚子をふって生醤油で食べる。
ちなみにポン酢でもいいし、柚子胡椒など、なんでもかんでもお好きなもので食べるべし。
ベストもベターも本人次第で法則もクソもない。
料理には法律も、法則なども、全部無縁である。

鍋は時間を食べるものなので、じっくり食べ尽くすべし


この口のなかでほろっと崩れて甘いのが、とてもいい。
いいだしが出るので、後の雑炊を気にしなければ、つゆをどんどん消費してもいいだろう。
今回は残った汁にゆずを振って、新潟県上越市「スキー正宗」をなめなめした。
あらためて、鹿児島県鹿児島市、田中水産さんに感謝!
http://tanakasuisan-kagoshima.com/

このコラムに関係する種

キジハタのサムネイル写真
キジハタRedspotted Grouper海水魚。沿岸の水深5-25mの岩礁域。北海道寿都、津軽海峡、青森県・[山形県鼠ヶ関]〜九州南岸の日本海、東シナ海沿岸、・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる