202501/21掲載
数え日の新潟旅 上越高田のそば屋さんは優し
数分後に地獄が待っているなんて思えない城下町

高田城からとぼとぼ歩き始めたら、遠くの方でどーーーんがどーん、と凄い音がした。木がバキバキ折れるような音までする。そのときまだボクはこの冬の雷の怖さを知らなかったのだ。
雷が近づいてきているな、と思った途端、歩道に白いものが点々と弾ける。
点々とだったのはほんの少しだけで、どどどざざざと大きな氷の塊が頭を叩く。大急ぎで車にもどり傘を差したときにはずぶ濡れだった。
あっと言う間に真っ白な世界に

このまま車で眠ってもいいな、とは思ったものの、まだ4時台なのである。
高田城の橋まで歩いたら、また雷で、また雹が傘を押しつける。
結局一番近いところにあったそば屋に飛び込んだ。
そこにはひょっこりしたオカミサンがいて、びしょ濡れなのを見て、石油ストーブの前の席に導いてくれて、脱いだダウンを広げて乾かせてもらう。
それにしても体の凍えはなかなか引かない。
凍えた体に冷たいビールがうまいな
お願いしたのはカツ丼のカツのようなものだけど

カツ丼のカツとかありますか?
とお願いすると、またまたカツとか揚げ物とか、いろいろ出て来た。
スキー正宗常温をお願いしたら、もう1品ついてきた。
しかも上越市のサメの情報までいただけた。
あまりにもありがたい情報だったので、
「すごくいい話をありがとうございます」
とうれし涙がポロリ、ポロリ。