202411/19掲載

釣ってはキハダ、味のヒラソウダ

触ると体温で溶ける脂、室温に滲む脂


最近、相模湾で盛んなキハダマグロ乗り合いは、釣っては非常に面白いしダイナミックである。でも、でも食い気の強い人は、「釣り味なんてどうでもいいので、ヒラソウダ」となるはずだ。
ヒラソウダは相模湾から外房にかけては今がまさに旬なのである。
ついでに言わせてもらうと、昔、9月、10月、11月の相模湾や外房でつれるのは「きめじ(キハダマグロの若い個体)」で成魚はいなかった。
親キハダは相模湾や東京湾口では新参ものなのだ。
ボクは相模湾や東京湾口で、昔々から口福をもたらしてくれているヒラソウダを応援したい。

さて、刺身に引くのが難しく感じるほど脂がのっていた。
筋繊維が少なく脂が多いので脆弱なのである。
切りつけたのを並べると表面が滲む。
室内温度18度なのに表面が溶ける。
口に入れるといきなり口溶け感を感じて甘いけど、決して重いわけではない。
これがヒラソウダのよさである。
ちなみにクロマグロの大トロを食べると、当分食いたくなくなるけど、ヒラソウダなら翌日も、となる。

ただでさえおいしいヒラソウダに火をつける


さて腹の部分は、皮も、切った面も全部あぶって切りつけた。
これはとやかく言わなくても、いい気がする。
あぶると皮下の脂が一瞬溶けて、すぐに固まりかける。
この瞬間を食べるわけなのでまずいわけがない。
半溶けの脂は文字に出来ないくらいにおいしい。

11月のヒラソウダを食べて、クマゴロウに言いたい。
本当は㎏1万出して買ってもよかったかも。

11月のヒラソウダは金の草鞋を履いても探せ


11月18日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが城ヶ島が見える東京湾口あたりで釣り上げたものである。
こっそりもらってきたけど、これがとてもでぶで、触っただけで脂を感じる見事なヒラソウダだった。
体長40cm・997gだけど釣った人に悪いので1㎏としておく。
これを三枚に下ろし、腹骨・血合いを取る。
背は皮を引き刺身に、腹はあぶって氷水に落とし、水分をよく切り、焼霜造り(あぶり)にした。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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ヒラソウダのサムネイル写真
ヒラソウダFrigate tuna 扁花鰹海水魚。沿岸の表層を回遊。北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島、小笠・・・・
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