ヒラソウダ
代表的な呼び名ソウダガツオ
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コラム
脂がないのにごっつぉじゃった、ヒラソウダコラム
入手困難ヒラソウダ郷土料理
沖鱠
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★★ 究極の美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ族ソウダガツオ属
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外国名 | Frigate tuna 扁花鰹
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学名 | Auxis thazard thazard (Lacepède, 1800)
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漢字・学名由来 | 漢字 平騒多鰹、平宗太鰹 Standard Japanese name /Hirasouda 「そうだ」について
「鰹に似たれば〈鰹だそうだ〉といいしを、倒置したる魚名」広辞林。騒多鰹、宗太鰹(『新釈 魚名考』栄川省造 青銅企画出版)とすると「平騒多鰹、「平宗太鰹」。 「常に群集して、水面にしぶきを立てながら小魚を捕食する。〈集まって騒ぐ・騒々しい〉ということで『ソウダガツオ』の呼称は〈騒々しく騒ぐ鰹〉。『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版) Lacepède Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。沿岸の表層を回遊。
北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島、小笠原諸島。
朝鮮半島東岸南部、済州島、東太平洋を除く全世界の熱帯から温帯域。
生態
マルソウダとは形態的に類似、生態的にも同じような暮らし方をしているが、本種のほうがより沿岸性である。
国内での産卵期は夏〜初秋だと思う。
基本情報
世界中の熱帯域から温帯域を回遊。世界中で漁獲、利用されている。東南アジアをはじめ熱帯域ではマルソウダと混獲されているようで、漁獲後冷凍して流通、もしくは燻製になって売り買いされているようだ。
国内ではマルソウダが節などに加工されて、需要が高いのに対して、比較的漁獲量は少なく地域地域で消費されるローカルな魚であった。それが近年、スマとともに流通の場でも見かける機会が増え、値上がり傾向にある。加工品は少なく、干もの、塩蔵品やなまり節になるが。マルソウダと比べると少ない。
スマと利用法が同じであるために混同されやすい。地域によっては、本種が単に「すま」、スマが「もんずま(紋すま)」なとと区別されることも多い。
味のいい魚で、流通での扱いさえよくなれば需要が増すと思う。
珍魚度 珍しい魚ではないが流通上はあまり見かけない。産地周辺とか東京都内でも豊洲市場とかで探すしかない。
水産基本情報
漁法 定置網、巻き網
主な産地 高知県など
マルソウダ(下)断面は円形で体高が低くほぼ円筒形だ。胸甲部(鱗のある部分)は第2背鰭を遙かに越える。
ヒラソウダ、マルソウダとも鮮魚流通することはあまりない。鮮魚としてはヒラソウダの方が高い。マルソウダは鮮魚流通することはヒラソウダ以上に少ないものの、節類、ゆでもの、干ものなど加工用としては非常に重要である。
幼魚時も区別の仕方は同じ。マルソウダ(上)の方が体高がなく体は円筒形でスマート。ヒラソウダ(下)は体高があり左右に平たく白い。それで「しろす(白すま)」と呼ばれている。[高知県中土佐町久礼大正市場]
選び方・食べ方・その他
選び方
鰓が鮮紅色のものがいい。体が丸く、体高の高いもの。表面の銀色が強いもの。
味わい
鱗は前方だけにある。皮は薄い。骨は柔らかい。
赤味で熱を通すと硬く締まる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
水洗いして三枚に下ろす。背と腹にわけて背の部分だけを刺身にする。脂は皮下に白く層を作り、身にも網目状に刺し込んでいる。厚めに切るとぼってりした食感ながら、舌に口溶け感を強く感じられる。非常にうまい。
鮮度がよく後味がいいのでいくらでも食べられ、食べ尽くせる。[鹿児島県産 49cm SL・1.5kg]
好んで食べる地域・名物料理
刺身など 徳島県阿南市から海部郡海陽町まででは刺身や山かけ、煮つけなどにして「スマ」をよく食べる。
スマの焼き切り(やきぎり) 三枚に下ろして皮目をあぶり、刺身状に切り、手に塩をまぶして叩く。次ぎに柚子酢をてにつけてたたき、玉ねぎのスライスをのせる。ハス(イシダイ)、コウロ(イシガキダイ)、グレ(メジナ)、スマ(ヒラソウダ)、カツオなど。[徳島県海部郡海陽町宍喰]
焼き切れ(やきぎれ) 高知県では皮付きのままあぶり、刺身状に切り、しょうゆをかけてにんにく、しその葉など季節の香りのある野菜を乗せるとある。
スマのいでぼし 水洗いして三枚に下ろし、塩ゆでにしてそのまま、すだちなどをかけて食べる。[徳島県海部郡海陽町宍喰]
加工品・名産品
釣り情報
アジサバ釣り、マダイ釣りの外道のひとつ。サビキ、天秤仕掛けのエサ釣りなどに盛んにくる。
夏から秋の疑似餌を使った相模湾のカッタクリ釣りでも数が上がる。
磯からのカゴ釣りにもくる。
歴史・ことわざなど
和名ヒラソウダは東京、千葉での呼び名。
地方名・市場名
参考文献 場所中国地方、高知
参考文献 場所千葉県、神奈川県
備考紀伊續風土記 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県三尾
備考11月頃とれるもの。 参考文献 場所和歌山県切目
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県周参見
シロマス
参考文献 場所和歌山県周参見
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺
オウズマ オオズマ オホズマ
参考文献 場所和歌山県田辺
参考文献 場所和歌山県田辺市
参考文献 場所和歌山県辰ヶ浜
参考文献 場所和歌山県辰ヶ浜、長崎県壱岐
参考文献 場所富山県東岩瀬・新湊・四方
参考文献 場所富山県生地・新湊・四方
場所山口県萩
参考文献 場所山口県萩、福岡県玄海
参考文献 場所徳島県小松島
サイズ / 時期1kg以上 備考大型魚。 参考長尾桂一郎さん 場所徳島県海部郡海陽町宍喰
コスマ[小すま]
サイズ / 時期500g以下 参考長尾桂一郎さん 場所徳島県海部郡海陽町宍喰
参考聞取 場所愛知県、和歌山県、関西、大阪、兵庫県明石、徳島県海部郡海陽町、高知県、愛媛県、熊本県八代、鹿児島県
参考文献 場所愛知県豊橋
備考標準和名 場所東京、千葉
参考聞取、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所東京をはじめ関東
備考神奈川県・東京都では省略形。 参考文献、聞取 場所東京都、神奈川県、高知県室戸
参考文献 場所沖縄
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協
参考井上正一郎さん 場所熊本県天草市
参考文献 場所神奈川県
参考文献 場所神奈川県、高知
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場、文献 場所神奈川県三崎・国府津、静岡県伊豆白浜・内浦
参考文献 場所神奈川県相模湾周辺
参考文献 場所福岡
参考文献 場所福岡県玄海
参考聞取、文献 場所福島県、千葉県、神奈川県
備考マルソウダと混同。 参考文献 場所福島県小名浜
備考マルソウダ、ヒラソウダを区別しないで。 参考佐藤厚さん 場所長崎県雲仙市富津
参考文献 場所静岡県
参考文献 場所静岡県静浦
参考文献 場所高知
サイズ / 時期15cm以下 参考文献 場所高知県
シロスゴ
サイズ / 時期約20cm以下 参考文献 場所高知県
参考文献 場所高知県須崎
場所鳥取県境港、島根県
参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所鹿児島
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
参考田中水産(鹿児島県鹿児島市) 場所鹿児島県鹿児島市鹿児島中央市場
参考聞取、『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966)、文献)など 場所山形県、富山県、島根県大田市、長崎県、宮崎県日南市目井津漁港
参考聞取、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所高知県熊野浦、宮崎県日南市目井津漁港、鹿児島県坊津・種子島
場所静岡県伊豆半島西岸・沼津
サイズ / 時期幼魚 備考シロスマ(白すま)を縮めたもの。マルソウダはクロス。 場所高知県中土佐町など
備考三津漁港定置水揚げ、宿毛湾は水揚げ葉、福岡市長浜鮮魚市場 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺・湯浅・切目・和歌山・串本町、徳島県徳島市・鳴門市・阿南市・海陽町宍喰、山口県日本海側、高知県室戸市三津・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協、福岡県福岡市長浜魚市場
場所神奈川県横須賀市佐島
場所三重県尾鷲市・熊野市遊木漁港、和歌山県串本町
場所和歌山県那智勝浦町
場所山口県長門・仙崎・萩
場所石川県七尾市七尾魚市場
備考マルソウダとともにフクライ。 場所宮城県気仙沼
場所鹿児島県南さつま市笠沙
参考文献 場所神奈川県小田原、和歌山県田辺・串本