ビンナガマグロ
代表的な呼び名ビンチョウマグロ
魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ族マグロ属
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外国名 | Albacore
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学名 | Thunnus alalunga (Bonnaterre, 1788)
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漢字・学名由来 | 漢字 鬢長鮪 Bonnaterre Abbé Pierre Joseph Bonnaterre(ピエール・ジョセフ・ボナテール 1752-1804 フランス)。博物学者。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。外洋表層性。
日本近海で、日本海には希。
朝鮮半島南岸・東岸。世界中の亜熱帯、温帯域。
生態
熱帯では年間を通して産卵するが、北半球の盛期は夏。
基本情報
マグロとしては小型で、資源量が多い。マグロ類ではもっとも安い。
古くは缶詰などに加工されていたものだが、脂ののった時期にとったものを冷凍、これをビントロ(ビンチョウマグロのトロ)として売り出してから生食用としても認知されるようになった。特に回転寿司でビントロは定番的なネタのひとつだ。
ビンナガマグロで作られるツナ缶も非常に家庭での登場回数の多いもの。サラダに使ったり、サンドイッチになったり。コンビニのおにぎりの具としても重要。
水産基本情報
市場での評価 関東では冷凍ものが多く、鮮魚はあまり見かけない。鮮魚は安い。ビントロという脂ののったフィレは比較的高値で取引されている
漁法 釣り、定置網、巻き網
主な産地 宮崎県、高知県、三重県、静岡県、宮城県
バヌアツ共和国などからの輸入も少なくない。
選び方・食べ方・その他
選び方
主に冷凍フィレで目にする。フィレとして大きいもの。分厚く盛り上がって白っぽいものがいい。
味わい
旬は冬
赤身魚のひとつ。
鱗は前方だけにあり、硬い。皮は薄く弱い。骨はあまり硬くない。
黄色みを帯びた赤身で血合いはやや大きい。熱を通すと硬く締まる。
赤身とは マグロ族の魚(マグロ属/クロマグロ、タイセイヨウクロマグロ、タイセイヨウマグロ[Thunnus atlanticus (Lesson, 1831) ] : Blackfin tuna/一般的ではない)、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、コシナガ、ビンナガマグロ ソウダ属/マルソウダ、ヒラソウダ スマ属/スマ カツオ属/カツオ) および、カジキ類のシロカジキ、マカジキ、バショウカジキのこと。これにあえて加えるならカマスサワラかも。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
脂ののった部分をすき焼きの地(しょうゆ、酒、砂糖、水)の地で煮ながら食べる。島根県大田市ではこれにコンニャクを入れる。この煮染まったコンニャクが素晴らしい味になる。
かたまりに塩コショウ、ハーブ類をまぶして1日寝かせる。これを低温のオリーブオイルで煮て、そのまま1日寝かせたもの。漬け込んだオイルと食べてもいいし、マヨネーズで食べてもいい。白ワインに好相性。
比較的脂ののったビンナガマグロをフライにすると実にうまい。脂の少ないものは硬く締まるがカレー粉などを使うと意外に面白いかも知れない。
ビンナガマグロの切り身を白みそ、みりんの地につけ込んで焼いたもの。少し硬く締まるがお弁当などには最適。
脂の少ないものだったら、バターなどでおぎなってやる。ムニエルは万人向きの料理。
昆布だし、しょうゆ、酒、みりんで吸地を作り、適宜に切ったビンナガマグロとネギを煮る。濃厚そうに見えるが、後口のいい汁。
切り落とし、血合いの部分、腹骨などを昆布だしで煮てみそを溶いただけの簡単な汁。これがいちばんうまい。
産地などに行くと売っているのが胃袋など内臓。これを産地では湯引きにして辛子酢味噌で食べる。意外にうま味が強く、歯ごたえもいい。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
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歴史・ことわざなど
■1985年前後、静岡県焼津市『焼津さかなセンター』でトンボマグロの名で立ち食い握りがあって、人気だった。
■回転ずし「ビントロ」がいつの頃からあったか不明。2009年現在非常に昔からあったとしかいいようがない。一番脂ののった時期のものを「ビントロ」という。
■『東京の味』(角田猛 白光書林 1956/p50)に「アメリカ人はこれをシーチキン(海の鶏)と呼んで、かえってこの方を愛好している」とある。
地方名・市場名
参考文献 場所三重県
参考文献 場所三重県、和歌山県、長崎県壱岐、沖縄県
参考文献 場所宮城県
参考文献 場所富山県生地、福岡
サイズ / 時期小型 参考PIA 場所徳島県海部郡海陽町
参考文献 場所東京、神奈川県三崎、下関
参考文献 場所東京市場、神奈川県三崎
参考文献 場所神奈川県、東京都、三重県、和歌山県、高知県室戸
参考文献 場所高知県、愛媛県愛南町御庄
参考文献 場所高知県室戸
備考大言海には。 場所宮城県、東京、神奈川県三崎・江ノ島
場所三重県四日市・熊野市・津市・伊勢市、和歌山県串本、高知県
場所沖縄県
場所高知県土佐清水市
参考文献