ミナミマグロ

代表的な呼び名インドマグロ


2mを超える。紡錘形。胸鰭は短いがクロマグロよりもやや長く細い。目もやや大きい。尾柄部の隆起は黄色みがかる。ただし流通の間に尾鰭を落としてしまうことが多いので種の判別は難しい。

魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★★★
重要
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ属
外国名
Southern bluefin tuna
学名
Thunnus maccoyii (Castelnau, 1872)
漢字・学名由来
漢字 南鮪
由来・語源 南半球にいるマグロの意味。
地方名・市場名
インドマグロ ゴウシュウマグロ
参考文献より。 
インドマグロ
備考インドマグロは古くはインド洋でたくさん揚がったためだと思われる。 

概要

生息域

海水魚。南半球の温帯、亜寒帯域だけに生息する。

生態

産卵期は9月〜翌年3月。
寿命20歳以上。

基本情報

クロマグロ、タイセイヨウクロマグロと同様大トロがとれるために、非常に高価なもの。クロマグロ、タイセイヨウクロマグロが主に北半球にいるのに対して、南半球のみであがる。旬は北半球のマグロが秋から冬なのに対して晩春から夏に旬を迎えるので、夏のマグロというイメージがある。
古くはインド洋でたくさんとれたので、「インドマグロ」と呼ばれている。最近では天然もののほか、オーストラリアの養殖ものが目立つ。養殖ものは天然ものよりも味が単調でくどく、個人的な意見ではあるがかなり味が落ちる。。
高級なスーパー、魚屋などにはあるものの、一般的なスーパーなどではお目にかかれない。

水産基本情報

市場での評価 クロマグロとともに高級マグロ。値段は冷凍、チルドともに非常に高い。ミナミマグロは本来、大型延縄船によって1年以上の長い航海でとっていた。すなわちほとんどが冷凍マグロであったわけだ。それが近年、ニュージーランドやオーストラリアから養殖、釣りものが入荷してくる。冷凍生ともにクロマグロと肩を並べる高級なもの。
漁法 釣り、定置網、巻き網
南半球での養殖が盛んとなっている。
主な産地 オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、南アフリカ

選び方・食べ方・その他

選び方

身にへこみ、黒ずみ、シミ、筋のないもの。丸の見極めは一般には難しい。

味わい

旬は天然ものなら夏
赤身魚。
鱗は頭部近くにしかない。血合いはやや大きく時間が経つと臭みが出る。
赤身とは マグロ族の魚(マグロ属/クロマグロ、タイセイヨウクロマグロ、タイセイヨウマグロ[Thunnus atlanticus (Lesson, 1831) ] : Blackfin tuna/一般的ではない)、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、コシナガ、ビンナガマグロ ソウダ属/マルソウダ、ヒラソウダ スマ属/スマ カツオ属/カツオ) および、カジキ類のシロカジキ、マカジキ、バショウカジキのこと。これにあえて加えるならカマスサワラかも。
ミナミマグロの断面 右に赤みに強い褐色の部分があるがこれが「血合い」、血合いの左丈夫が「赤身」、皮に近い部分で脂が均等ににあるのが「中トロ」、内臓を包む部分で脂の強い場所を「大トロ」という。「血合い」に近い部分を「血合いぎし」とか背鰭の下を「ひれぎし」とかマグロ専門ではより細かく呼び分けている。
かま 胸鰭の周辺。体の背の部分にまとまった筋肉があり、腹の部分には少ししか身がない。写真は腹の部分。生でも食べられる部分があるが、これを大胆に焼き上げると非常に美味。
八の身(鉢の身、頭の身) 頭部、目の上の部分に二本並んでいる身。非常に脂が強く、筋も多いが、甘味とうま味も強い。
目玉 眼球とその周辺の部分。目の下には大量の脂があり、煮ると強く白濁する。甘辛く煮つけるて口に入れるととろける。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

生食(刺身、カルパッチョ、マリネ)、煮る(煮つけ、角煮、目玉煮)、焼く(塩焼き)、揚げる(竜田揚げ)

ミナミマグロの赤身刺身 体の中心に近い部分で、いちばn筋が少なく、脂も少ない部分。脂の甘さや口溶け感はないが、マグロ本来のうま味があって、通好みの場所。軽くしょうゆに漬け込んだものも非常にうまい。[天然]

ミナミマグロの中トロ刺身 いちばん脂が均質に周り、脂の甘さと口溶け感もあり、赤身の持つマグロ本来のおいしさも楽しめる。そのまま刺身で食べるのがいちばんうまい部分。関東では「マグロの刺身」というと中トロだったとも。[天然]
ミナミマグロの大トロ 内臓を包んでいる部分の筋が目立つところを刺身にしてみた。筋と言っても口の中で脂と一緒にとけてなくなってしまうくらい気にならない。口溶け感のなかに控えめな酸味があって、強いうま味がある。これを少量つまみながらの本醸造酒あたりがたまらなくうまい。珠玉の味である。[天然]
ミナミマグロのねぎとろ 別にトロとねぎを合わせたわけではない。中落ちに付いている身で、ハマグリの貝殻などでかき取る。江戸っ子は「かきとる」ことを「ねく」、「ねき」と言ったことから。「ねくとる」、「ねきとる」が「ねぎとろ」に変化したもの。[天然]
かまとろ 胸鰭のある部分の背の部分で脂がのり、細かい細い筋が網目状にあるところ。強いうま味と脂の甘さがあり、細かい筋のせいで食感も強い。1尾で2個しか取れないので貴重である。
ミナミマグロの八の身(鉢の身、頭の身) 頭部の目の上のところに2つ並んでいる身。大トロよりも脂の強いこともあり、室温で溶け出すこともある。口に入れた途端にとろけだし、甘味が強い。マグロらしい味に欠けるという人もいるが、最近では超人気の部位である。[天然]
ミナミマグロの血合いのうま煮 血合いと血合い周辺の部分を適宜に切り、一度湯通し、冷水に落としてあら熱と血液などを洗い流す。これを酒、砂糖、大量のしょうがのせん切りと煮上げたもの。甘辛く、ほどよい硬さでご飯のおかずに向いている。[天然]
ミナミマグロの目玉煮 目玉と目玉の周囲は非常に脂やコラーゲンに満ちている。煮ると半分ぐらいが液体と、液体と固体の中間的な状態になる。比較的甘辛く濃厚な味つけにして美味である。近年ではスーパーなどにも置かれていることがあるのでお試しを。[天然]
ミナミマグロのねぎま汁(葱鮪汁) カツオ節出し(昆布だしは必ずしも必要ではない)、しょうゆ、みりんの味つけの汁にする。具はねぎだけ。これを煮ながら食べると「ねぎま鍋」になる。これも酒を傾けながら食べると素晴らしい味だ。江戸時代からある伝統的な料理なので、古きを思い食べよう。[天然]
ミナミマグロのみそ汁 尾の部分や中落ち、筋の多いところを湯引きし、冷水に落とし、骨のカケラや血液を洗い流す。これを水から煮て、江戸甘みそを溶いた。みそはお好みで選ぶといい。うま味豊かなだしとほんのり甘めのみそがよく合う。[天然]
ミナミマグロの砂ずりの塩焼き 体の一番下の部分。腹鰭の部分に塩をする。これを1時間以上寝かせて、じっくり時間をかけて焼き上げる。身は焼くと締まり、うま味が強く実にうまい。かまや鰭下などを焼いてもうまい。[天然]
ミナミマグロの竜田揚げ(唐揚げ) 中落ちや筋の多い部分、血合いなどをしょうゆ、みりん、酒、しょうがを合わせた地につけ込む。これに片栗粉をまぶし、少し寝かせる。今度は水溶き片栗粉をくぐらせて揚げる。さくっとして中はうま味豊か。血合いを使うと鶏のレバーを揚げたようでおいしい。[天然]
ミナミマグロの大トロのフライ 養殖ものの大トロを使って作った。明らかに天然ものよりも脂が強く、うま味が少ないように思う。これに塩とコショウをして小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて高温で短時間揚げた。食感は豚のヒレ肉に近く、よりジューシーになる。ソースではなくタルタルソースの方が合う。[養殖]

好んで食べる地域・名物料理

ひゅうが ゴマをすり、卵黄を合わせて、しょうゆ、みりん、砂糖などで味つけ。ねぎなどを加えたものにマグロの赤身を漬け込む。これをご飯にのせて食べる。[大分県津久見市保戸]

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど