ゴマサバで夏らしい南蛮漬け
動物たんぱくが入ると酢の物が、脇役ではなくなる
なんとなく酢、なんでも酢、なのは体が欲しているためだろう。
フィッシュ&ティップスを作ったらモルトビネガーをじゃぶじゃぶ。塩焼きの添え物にきゅうりもみ、こはだの酢じめを作り、ソテーした魚にもライムをぎゅっと搾る。
そして近所のスーパーで買ったゴマサバは、深夜には南蛮漬けになって目の前にある。
酢の物は酒の肴の主役になれはしないが、動物たんぱくが入ると、順主役級にはなる。
南蛮漬けの南蛮の本来の意味は戦国時代から交易のあったオランダとかスペインのことだが、料理では「油を使った料理」や辛味である唐辛子を使ったものにつく。どこかしら目新しいものという意味がある。
唐辛子を加えた酢を「あちゃら酢」というが、「あちゃら」と「南蛮」は同義語だと思っている。たぶん南蛮漬けはそんなに古い料理ではないが、上手な命名だと思っている。
ゴマサバの唐揚げは思った以上に存在感が大きい。ゴマサバ自体に豊かな味があるし、そこに香ばしさが加わると最強かも知れぬ。
その味の強さに爽やかな合わせ酢、青唐辛子の辛味、野菜のしゃきしゃきとした歯触りが心地よい。
プラス6Pチーズで長野県諏訪、真澄の紙箱を飲んだら、意外にもおいしい。
虫集き、いい深夜酒となりにけり、だ。
スーパーで売っている魚って便利極まりなし
最近できた近所のスーパーは関東に無数に支店のある大手である。鮮魚コーナーが充実している。定期的に見に行っているが、必ず買い物をしている気がする。かなりマニアックな魚もあるが、それは市場で買った方が安い。むしろ平凡な魚に手が伸びる。
長崎県産ゴマサバ167g、200円はとても安いと思って買った。三枚下ろしにしてあり、手に取った途端に料理が思いついた、南蛮漬けである。
腹骨と血合い骨を取り、5㎜幅に切るだけでいい。小麦粉をまぶして少し寝かせる。
酢・砂糖・少量の薄口醤油・塩を合わせて一煮立ちさせ合わせ酢を作る。
冷蔵庫にあったみょうが、甘長唐辛子をせん切りにする。
三重県尾鷲市の唐辛子、虎の尾を少しだけ刻む。
酢にせん切りにした野菜を加えて置く。
ゴマサバは二度揚げする。
容器に酢と野菜を適宜入れ、揚げたゴマサバを入れ、その上からも酢と野菜を加えてサンドイッチ状にする。
これを冷蔵庫で寝かせる。