202408/12掲載

スマのスパゲッティは〈delizioso〉

うまいものは食べているときこれ以上ないと思えるもの


7月はじめに魚のパスタを作り始めて、目から鱗というと月並みだが、魚魚しいパスタがこんなにもおいしいのかと、作るたびにデカイ腹を突き出しのけぞっている。
そして、スマ、だー。
比較してはいけないかも知れないが、食べているときには正しい評価が出来ないものだが、ここに魚魚しいパスタの頂点をみた気がする。(もちろんどんどん評価は変わるけど)
ソテーしたスマの中落ちがやけにうまいだけではなく、中からにじみ出てきたうま味が非常に豊かだ。
最近、できるだけ塩を使わないのに濃厚に思えるのは、スマのうま味成分がぎょうさん出ているためだろう。
ここに今回のひらめきで入れたヒメグルミのこくが追加される。
ナッツ系の濃厚な油分ありのうま味と香ばしさって、足しても余計ではなく、うまさが倍増する役割を担うのだ。
うま味を含んだ油とスパゲッティだけでも、ごっついええな、と思う。
そこにケーパーの酸味と塩気がくるのもいい。
こんなに魚のうま味と、ケーパーの酸味が合うなんて思わなかった。
しかもしかもプラスティックのケースに入って高かったスイートバジルではなく、袋にどばっと入って安い直売所のものを、どんどんちぎり入れたら、これもええ、ではないか。
ハーブとか香りのものは高値だからと、ケチケチ使っていたのではよさがちっともわからないってのも最近わかってきた。
ネットで調べると、イタリア語で、おいしいは、〈delizioso〉らしいけど、この一皿で感じることは、それだな。
〈delizioso〉でボクの腹が、また一回り膨らんだ。
早く昼ワインを飲んでも、仕事が継続できる体にもどりたい。

まだまだイケてる鹿児島のスマ


今回のものは、八王子綜合卸売センター、福泉で買ったもので、全長48cm ・1.594kgなので決して大型ではない。
あまり期待しないで持ち帰り、三枚に下ろしにすると包丁が重いのである。
予想外に脂がのっている。
以上は前々回書いた。

スマの中落ちのうま味をたっぷり引き出すのだ


今回のスマのスパゲッティの材料は。
スマの中落ち、青唐辛子、にんにく、ヒメグルミの実、ケーパー、スパゲッティ、スイートバジルだ。
ボクは魚の下ろしが下手くそなので、中落ちにべったり身が残る。
最低じゃな、と思ったのは昔昔のことで、中落ちの身をかき落としながら、魚下ろしはもっともっと下手くそでいいと独りごちている。はは、は、は、っだ。
中落ちの身は黒コショウと少量の塩を振る。
ケーパーをきざみ、にんにくをつぶしておく。
スパゲッティをゆで始める。
フライパンに多めのオリーブオイルとにんにくを入れて温める。
辛いのが大丈夫なら唐辛子も。ボクはあまり辛味に強くないので半分入れた。
スマの中落ちをじっくり香ばしくソテーする。

少しソテーするとヒメグルミの実はこくを生み出す


香ばしくソテーしたらヒメグルミの実を放り込み、さらにソテーする。
中にゆで上がったスパゲッティ、刻んだケーパーを入れて火を消し、スイートバジルの第一陣を放り込んで和える。
皿に盛り、スイートバジルを散らして出来上がり。

このコラムに関係する種

スマのサムネイル写真
スマKawa kawa, Eastern little tuna, Little tunny, Wavyback skipjack, Mackerel-nuna 台湾/花煙(hua yen)、三點仔、巴鰹海水魚。[宮城県気仙沼]、千葉県外房、相模湾〜屋久島の太平洋沿岸、[北海道日本海側せたな町]、兵庫県浜坂日本海側〜九州・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる