202406/09掲載

水揚げ当日限りの小ウルメの刺身

定置網の水揚げは時間勝負で、売れる魚が最優先


神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置でダンベ(大水槽で飼料などになる魚を入れる)行きの小魚を分けてもらってきた。
この時季は小魚が多くて定置網漁師は大変なのである。
とにかく一刻も早く売れる魚を選別しなければならない。

鰯三種揃い踏みで、実はこんなサイズでも食べたらうまい


ニシン目のイワシ類は、マイワシ(いちばん上)、ウルメイワシ(中)、カタクチイワシ(下)の揃い踏みだった。
問題は小さすぎることだ。
今回の3種はともに体長10〜13cmであり、しかもてんでんバラバラだったのでとても出荷できる水揚げではなかった。
食べたらとてもうまいのに、ダンベに納まるのがなんとももったいない。

鮮度のいいウルメイワシはとっても美美美


帰宅してから3種を分ける。
ウルメイワシは、帰宅したときコバルトグリーンだったのがみるみるくすんだ色に変わる。
鮮度落ちが見ているそばからわかる。

刺身はそんなにきれいじゃないけれど


持ち帰ったら即内臓を取り、開いて水分を含ませてよく絞ったペーパータオルにくるむ。
これでほどよく水分がとれる。
皮をむき、氷を入れた塩水の中で洗う。
水分をよく拭き取り、皿に盛る。
至って単純だけどスピードが命である。
小田原から1時間半かけて帰ってきて、数時間仮眠をとったあと、昼飯前の虫養いにウルメの刺身で小茶碗1杯の飯を食べる。
ウルメの刺身は味がある。
今回は溜まり醤油で食べたが、その強い醤油の味の中にあってもちゃんとウルメならではの味がする。
湯気の立つご飯にのせて食らうと腹の虫が笑う。

このコラムに関係する種

ウルメイワシのサムネイル写真
ウルメイワシRound herring, Japanese sardine海水魚。北海道南部〜九州南岸の沿岸、東シナ海。希にピーター大帝湾、朝鮮半島南岸・済州島、台湾、中国東シナ海・南シナ海・・・・
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