ヤリイカの季節、やっと来たかも?
非常に長〜くなるヤリイカが長〜くなってきた
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で北海道産ヤリイカを買った。
外套長(胴に見える部分の長さ)34.5cm・330gの雄である。
このサイズくらいからヤリイカの値が跳ね上がる。大型で、魅力的である。
ヤリイカはツツイカ類の中まで貝殻の名残がフィルム状なのだ
ちなみにツツイカ類(筒状の胴で貝殻の名残が薄い板のイカ)では、古くはスルメイカ・ヤリイカ・ケンサキイカ・アオリイカの順で漁獲量が多かったと思っている。それが今ではスルメイカ、ヤリイカの漁獲量が減り、西日本に多かったケンサキイカが東北でも揚がり始め、アオリイカの水揚げもじわりと増えてきている。
取り分けヤリイカの影が極端に薄くなってきている、と思っている人も多いだろう。
この食用4種の中ではヤリイカがいちばんボク好みなのだ。
当日も別の生物群であるコウイカ、スルメイカ、アオリイカが並んでいたが、迷わずヤリイカを買い求めた。
余談になるがケンサキイカ、アオリイカは端的においし過ぎるのだ。ヤリイカのよさは食感のよさであり、味わいが淡いところにある。
耳のこりっとした強い食感と身の柔らかさをミックスする
さて、持ち帰ったら生殖巣がまだ小さいことを確認してげそを引っこ抜く。
最初に頭部から眼を取り、腕(足でもどっちでもいい)のぬめりを包丁でこそげ取る。
頭部は半割にしてげそ部分を保存する。
胴と耳(鰭とも)は皮を剥き、身体に対して縦方向に切る。
あまり細く切りすぎないで、ほどほどに。
今回は耳と胴をミックスして盛り付けてみた。
昼酒はやらないので、しみじみとご飯のおかずにする。
酒をあまり飲まなくなって気づいたことだが、ご飯の方が水産生物の味がより深く感じられる。
ヤリイカの耳の食感の心地よさは例えようもなく素晴らしい。
イカのモノリン酸(アデノシン一リン酸)は口に入れると、即うま味に変化して甘く、おいしい。
やっとヤリイカのいちばんうまいときが来たようである。
今回はわさびと鳥取県のキッコーナン刺身醤油で食べてみた。
基本的に刺身は生醤油もしくは加減醤油なのだが、刺身醤油でイカ、も合うではないか。
糖質であるご飯の甘さとイカと、刺身醤油は出合いのものである。