202402/08掲載

忙しい昼なので小赤イカの焼きうどん

小イカ入りの焼きうどんに中濃ソース


ボクの故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)は食に関しては土俗のものもあるが、取り分け外食に関しては大阪の影響を強く受けている。料理店やすし屋、パン屋、洗濯屋などすら「大阪で修行した」というと格が上とされていた。お好み焼きは明らかに大阪風である。大阪風の「なんであんなちっちゃなカップで混ぜるんじゃろう」はボクの人生初期最大の疑問であった。
東京では焼きそばはウスターソースや中濃ソースだけど、故郷では地元の甘いお好み焼き用のソースだった。確か焼きうどんも同じだったはず。
上京してきて、錦糸町で焼きうどんがあったので、お願いしたら驚くなかれ、しょうゆ味だった。東京のお好み焼きは、もんじゃがあるせいかも知れないけど、バラバラなのかも知れない。ましてや広大な関東平野など多彩ですらある。
話の寄り道になるけど、小学校のとき、のれんのお好み焼きが読めなかった。「の」が崩し字で「ぬ」に見えたのだ。お好み焼き屋の本当の名は「おこぬみやき」じゃろう、と思っていたのだ。ちなみにものすごく小さな町にも、あの忌まわしいアホな万博の年である1970以前には、無数にお好み焼きがあった。
閑話休題。
さて、最近、多摩地区や山梨県東部の食品小売りの店主達と話していて、気になるのが中濃ソースである。ウスターソースよりも、トンカツソースよりも仕入れ量が多いようなのだ。考えてみると中濃ソースは人生で数回しか買っていない。気になったので久しぶりに小さいのを1本買ってみた。

小赤イカは使いやすく、そしてやたらにうまい


同時に、八王子総合卸売協同組合、舵丸水産に神奈川県横須賀市佐島から赤イカ小が来ていた。相模湾周辺で赤イカはケンサキイカのことである。東京湾や千葉県でも赤イカなので、豊洲でもケンサキイカを赤イカという人は多い。
ちなみに小田原での水揚げを見る限りの話ではあるが、最近、相模湾ではヤリイカやスルメイカの若い個体よりもケンサキイカの若い個体の方が多いようだ。この小イカの勢力図の変化は徐々に北でも見られるようになっていそうである。
大雪の影響で暇そうにしているクマゴロウを見て、思い切って赤イカ小の大量買いをしてきた。大小混じりで大きいのは刺身に、ゆでてぬたに、干してもいいし、パスタの具にしてもいい。なんにでも使えるところが小イカのよさなのだ。
中濃ソースを買ったついでにゆでうどんを買い、帰宅後の昼ご飯に焼きうどんを作ってみる。

ボクは月替わりで焼きうどん派にもなり焼きそば派にもなる


小イカの多くは半割にして内臓を取り去り、げそと胴を分ける。
分けてペーパータオルにくるんで冷蔵庫に入れて、水分を抜く。
仕込みをしながら、胴の部分をひとつかみ適当に刻む。
野菜は基本的なキャベツのみを使う。
焼きうどんの作り方を説明しても意味がないと思うので省くが、意外に中濃ソースがいいのである。
思った以上に甘味があり、どちらかというと甘味のある小赤イカとマッチしている。小赤イカの柔らかさがうどんと好相性みたいだ。
イカの風味とソースの風味ってぴったりなのは説明不要だろう。
焼きうどんだろうが、焼きそばだろうが、お好み焼きだろうが、ボクはイカだけもしくはイカブタミックスに決めている。

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ケンサキイカSwordtip squid海水生。[山形県酒田・鼠ヶ関]、舞鶴湾から山陰・九州北部の日本海・東シナ海、青森県八戸・岩手県・宮城県沿岸、外房・東京・・・・
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