202312/10掲載
箱根颪の中で考えた。メジナは鍋でしょ!
メジナを見て刺身じゃー、つまらない

小田原のメジナ
金曜日の朝、探したのはサンノジ(ニザダイ)とメジナだった。
箱根颪が体にじわじわと染みてくる。今夜こそは鍋だとだ決めたのは、メジナを連れて帰るつもりだったからだ。
事実、日渉丸、ワタルさんのところに素晴らしいメジナがあった。これを競り落とした人に分けてもらおうと思ったら、ヤオマサのナイトウさんだったのだ。
ついでにニザダイもナイトウさんが落としているではないか。
ちょうどそこに漁協定置の草野さんが珍魚中の珍魚をくれた。まったく同定できない魚にメジナもニザダイも頭から吹っ飛んでしまったのである。このあたりがボクのダメなところだけど、それくらいの珍魚だったのだ。
高知県室戸市の郷土料理、グレの鍋

グレの鍋
そのまま帰途につき、途中、秦野市の直売所、じばさんずで思い出した。ここで旬を迎えた白菜に菜もの、豆腐を買い込んで鍋にするつもりだったことを。
が、もう遅い。ボクの壮大な鍋構想自体が吹っ飛んでしまったのである。
アンコウを持っているが、メジナと比べると魅力は2分の1でしかない。
ちなみに「ぐれの水炊き」は高知県室戸市の郷土料理である。徳島県徳島市、沖洲市場でも「ぐれの鍋」の話を聞いているので、この料理の分布域は思った以上に広いのかも知れない。
ワタルさんのメジナなら、皮付き生で鍋の昆布だしの中で好みの火の通し方に加減しながら、ほとんど生とか、しっかり火を通してとかいろいろやれそうだった。
珍魚を眼の前にすると頭の中身が吹っ飛ぶのはなぜだろう? 修行が足りぬのだと思う。