202311/23掲載

酔狂で買う、問題ありの殻ホ

最近は付着物なしの多いホタテの奇跡

ホタテガイ

久しぶりに付着物たっぷりなホタテが荷に混ざっていた。めったにないことなので、欣喜雀躍、わざわざ買うのは生き物好きの性というものだ。
昔はアズマニシキがついているのなど当たり前、キヌマトイガイやフジツボ類、環形動物がはいはいしている、などにぎやかなホタテがうんと入荷してきていて、市場通いの楽しみのひとつだったのだ。
ときどきこんなものが来て欲しいとは思うが、産地の人の努力からすると失礼かも知れぬ。

キタオオイボイソギンチャクかなとは思うが


黒い筋は環形動物だが種類は不明、大きなイソギンチャクがついているが、キタオオイボイソギンチャクかも知れぬ。
マガキの隣に5mmほどのキヌマトイガイがいて、この付着物だけでも本体分の値段くらいにはなる。

殻を開けたら、真ん中だけ大丈夫だった


貝殻がデコボコしているので、中身は空というか食べられないだろうと思っていたら、ヒモもウロも真っ黒だったものの、痩せていたが貝柱だけは大丈夫だった。

ホタテガイのアヒージョって簡単でうまいのだ


この貝柱でほぼ野菜のアヒージョを作る。
我が家独特の深夜の「ちょいツマ」である。
黒ずんだヒモ(外套膜)やウロ、貝柱を包み込んだ皮膜などを全部取り除く。
貝柱を適当に切る。
冷蔵庫からにんにく、あるもの野菜であるエリンギ、ポワロネギなどを出し、適当に刻む。
小型のパンにホタテなどを全部並べ、オリーブオイルをたっぷり注ぎ入れる。
パプリカの塩漬けであるマッサを散らし、塩少量に黒粒コショウを振る。
後は天火で焼き上げる。
ホタテがやけに少ないのが難点だが、エリンギがいい脇役で味を出しているし、かなりイケル味である。
これでノンアルコルビと北区しもふり商店街にあるベーカリーナオのバタールで夜酒ではなく、夜食とする。
人生って悲しいものだなと思いながら、じっくりヤな住人に乗っ取られたホタテの殻を愛でる。

このコラムに関係する種

ホタテガイのサムネイル写真
ホタテガイGiant ezo-scallop, Common scallop, Frill, Fan-shell海水生。水深10〜30メートルの砂地に生息。東北以北、オホーツク海。・・・・
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