202310/31掲載

マン腸の干ものは素直にウマスギ!

いったいなんなんだ、これはと知らない人が見たら思うはず

マンボウの腸

自宅軟禁といった1週間だが、多種多様な魚がやってきた。どれもこれも素晴らしい味だったし、超高級魚もあったが、意外にも真夜中にノンアルビールの友とした地味なものが印象に残りすぎたので、これを1週間のトップとしたい。マンボウの腸の干ものである。
マンボウは、千葉県外房に通っていたとき、千倉から千田に向かう舗装が一部剥がれているような道路の、道ばたにあった魚屋で初めて買っている。この道路沿いに「マンボウあります」の文字を見ての初マンボウである。
腸の干ものはおまけにもらったと記憶している。外房の郷土料理である、肝と身をみそで和えたものと比べると食べやすいというよりも、端的にうまかった。この国道沿いの魚屋がいまや激減している。
考えてみるとそのとき、ボクはてっきりマンボウを下手なものというか、珍味のたぐいだと思っていた。それが外房に通う内に身近なもの、普通の食用魚と思えるようになった。一時期、肝の味の虜になったこともある。
今回の主役、マンボウの旬は秋から早春にかけてなので、時季のものともいえるだろう。
巨大な魚なので流通の場に丸のまま来ることはない。解体しての流通だが、ほんの数年前まで身(筋肉)と肝のセットで入荷してきていた。これが最近では腸ばかりがくる。身と肝よりも保ちがいいのもある。腸は単に炒めても焼いてもうまいが、身と肝は食べ方が限られる。

鉄鍋で煎り焼きにするのがいちばん簡単

鉄鍋でいるマンボウの腸

さて、腸はざっと洗って適当な大きさに切り、水分をしっかり拭き取る。
なめたら渋いくらいの塩水に10分くらい漬ける。
水分をよくきり一日外干しにする。
少しくらい日に当たっても気にしなくていい。
後は繊維に逆らって横方向に薄切りにして鉄鍋でからいりする。
もちろん焼いてもいいが、鍋を使った方がやりやすい。

酒のアテ・ナンバーワンと思うくらいに

マンボウの腸の干もの

そのまま食べてもいいし、外房の魚屋さんに教わったマヨネーズをつけて食べてもいい。
ボクは一味唐辛子か山椒をかけるだけが好きだ。
弾力がありながら程よく噛み切れて味がじわじわと浮き上がってくる。
禁酒中なのでノンアルコールビールで、ウ〜〜ッ、マンボウに乾杯! なのだ。

このコラムに関係する種

マンボウのサムネイル写真
マンボウOcean sunfish海水魚。北海道以南。北半球の太平洋、大西洋。外洋生で海の表層を遊泳。・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる