あったら買うしかない、マテガイ
マテガイの入荷は非常に希なので見つけたら買う

マテガイ
八王子総合卸売センター、福泉に熊本県産マテガイがあった。産地もとる漁師もいなくなって、とても入荷が不安定なので、見つけるとつい手が出てしまう。
国内で流通するマテガイ類はマテガイ、オオマテガイ、アカマテガイの3種で、そのどれもが入荷量はごく少なく、手に入れるのが難しくなってきている。
最近では国内産マテガイがとれなくなりマテガイモドキ属のジャックナイフガイや、パキスタン産の和名のないマテガイまでやって来ている。
新橋の居酒屋でマテガイとは似ても似つかないパキスタン産のマテガイが、堂々、マテガイとだけ書かれて品書きに載っていた。写真通りのパキスタンものがやってくるのかどうか、好奇心から思わずたのんでしまったこともある。
マテガイは干潟の泥と非常に細かな砂が混じり合ったようなところに生息している。東京湾に自然の海岸線はほとんど残っていないが、残っている海辺には今でもたくさん生きている。
千葉県木更津市の干潟で引き潮の時間が終わって塩が満ちてくるとき、あっちにもこっちにもじょじょに貝殻が出てくるのを無心になって引っ張りとったのが懐かしい。ちなみに引き潮のときに塩を振ってとるのも楽しいけど、満ちてきたときに「満ちてきたぞ、満ちてきたぞ、わーいわい」といいながら出てくるマテガイをとる方が好きだ。
比較的砂を噛んでいる可能性が高い

さて、買って来たマテガイは泥を嚙んでいるのがいるので、ちゃんとチェックする。
できれば二枚貝なので周縁部分の外套膜(見ればわかると思う)を切り、貝殻を開いてみる。
砂がなくても念のためにていねいに塩水か流水で洗うといい。
焼いて食べるのが野性的でいちばんうまいかも

焼きマテガイ
半分は貝殻を開いて外套膜と貝柱を切り砂などを洗う。これを貝殻にもどし直火で焼き上げる。
マテガイには独特の日向臭さがあるので、オリーブオイルとチリペッパー(カイエンヌペッパーでも)を振る。
ワインがないのでノンアルコールビールとともに深夜に食べたが、素晴らしい味であった。