202507/28掲載

小さいけど、ケンサキイカはケンサキイカ

小さくてもねっとりして甘い、ケンサキならではの味


そろそろイカだな、と思って八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産の店先に行き。
バライカ(スルメイカの若い個体)にするか、ダルマ(小型のケンサキイカ)にするか迷って、ケンサキイカを2はいを手に取る。
長崎県平戸産である。
メヒカリイカ型(小型のまま繁殖する個体群)で小さいが抱卵していた。

素直に刺身にして酒の肴にする。
小さくてもちゃんとねっとりして甘い。
非常に味が濃い。
意外なおいしさにちょっとだけ驚き、味のメモをとろうとして文字が浮かばない。
平戸産小型のケンサキはうまいとしか書きようがない。

塩と唐辛子と柚子とでさっぱり味にする


翌日は耳(ひれ)と胴体をあぶる。
氷水に落として水分を切り、あまり辛くなかった長野県北信地方の「ぼたんごしょう」と合わせて塩を加えて和え、いただきものの柚子果汁(高知県高知市土佐山産)をたっぷり振る。
あぶるとねっとり感がなくなるものの、より甘味は強くなる。
青唐辛子の爽やかな辛味が体にたまった熱を追い出す。

2日とも、長野県長野市、「若緑 本醸造」をロックで飲む。
生酒が強すぎる、酷暑の夜だ。

見た目はケンサキイカのメヒカリイカ型になる


ケンサキイカは古くは千葉県房総半島、山陰以南に生息していた。
ヤリイカやスルメイカよりも温暖な海域にいるはずだが、今や本州以南に生息していると考えてもいいと思っている。
小型のメヒカリイカ型、中型のブドウイカ型、大型のゴトウイカ型など非常に変異が多い。
より熱帯域にいるヒラケンサキもあやしい気がする。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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ケンサキイカのサムネイル写真
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