ビゼンクラゲ

代表的な呼び名クラゲ


鉢の直径50cm前後になる。一般的なクラゲ型で赤味を帯びている。

物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
刺胞動物門鉢虫綱根口クラゲ目Daktyliophorae上科ビゼンクラゲ科ビゼンクラゲ属
外国名
Jelly fish
学名
Rhopilema esculentum Kishinouye, 1891
漢字・学名由来

漢字 備前水母、備前海月
由来・語源 備前(現岡山県)児島湾でとれたため。
クラゲは和名本草などには海月とあり、水母ともとある。〈備前の産を上物とする。〉『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)

Kishinouye
岸上鎌吉(きしのうえ かまきち 慶応3年〜昭和4年 1867-1929)。東京帝国大学教授。動物学者・水産学者。水産学の黎明期に甲殻類、棘皮動物、魚類など様々な分野を研究した。
地方名・市場名
アカクラゲ[赤水母]
場所有明海周辺 

概要

生息域

海水・汽水生。
瀬戸内海、有明海。朝鮮半島、中国沿岸。

生態

基本情報

「備前水母」は奈良時代には朝廷に献上されていたが、種はわからない。ビゼンクラゲ属のビゼンクラゲ、ヒゼンクラゲの可能性が高い。
有明海では春に小型のものが現れ、8月に漁の最盛期を迎える。網ですくい、浜などで生では食べられないもので、ミョウバンと塩で漬け込んだものを利用する。
有明海では色合いからヒゼンクラゲの「白水母(しろくらげ)」、「赤水母(あかくらげ)」の2種が漁獲されて、加工されて全国に流通している。独特の歯触りを楽しむ。

水産基本情報

市場での評価 ほぼ総てが有明海周辺で取引される。また中国産は塩漬け加工したものが年中流通し安い。
漁法 すくい網
産地 佐賀県

選び方・食べ方・その他

選び方

赤いもので、寒天質でしっかり形をなしているもの。

味わい

塩漬けなので旬はない。
漁期は夏。
寒天質で旨みや脂はなったくない。
こりこりとした食感を楽しむもの。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ビゼンクラゲの料理法・調理法・食べ方/もどして酢の物、サラダ
ビゼンクラゲの酢の物(クラゲの酢のもの) 塩水に漬け込んだものを流水で塩出しして、水分をよくきる。これを塩で殺したきゅうりと和えて、甘酢を加えたもの。こりこりとした食感が身上で食事の間の口直しにいい。

好んで食べる地域・名物料理

福岡県柳川

加工品・名産品

きざみくらげ(塩漬け)/佐賀県、福岡県。ミョウバンと塩で漬け込んだもの。刻んで袋詰めになる。

釣り情報

歴史・ことわざなど