小ヤリはイタリア風(?)トマト煮がいい
今年は小ヤリがなかなかやってこなかった

函館産小ヤリイカ
ボクのおさかな365以上日記 小ヤリはイタリア風(?)トマト煮がいい
市場では秋の小イカからはじまって春の大イカで終わる。そんなヤリイカの陰が薄くなってしまっている。相模湾などでも本来ヤリイカシーズンである寒い時季にもケンサキイカ(赤いか)がとれる。主役であるはずのヤリイカは探さないといけなくなっている。
最近、真冬にケンサキイカとヤリイカが隣合わせで売られても驚かなくなっている。南のケンサキイカがずんずん北上して、北のヤリイカがずんずん北に去りつつある。
日本列島のイカ地図(勝手に作っているもので非売品)では、成り上がり者のケンサキイカの勢いに押されて、大大名であったヤリイカ家が石高減少で滅亡してしまうのではないかと思えるほどだ。
ヤリイカ科ではアオリイカ、ヤリイカ、ケンサキイカとそれぞれ味に違いがあり、それぞれに好きなのでヤリイカが消えてもらっては困る。
さて今季のことだが、ヤリイカは8月末から9月ころには当歳イカが入荷してくるものと思っていた。走りの時季は外套長7cmくらいででしかない。9月の声を聞くと、茨城県、福島県などからこの小ヤリがわんさかやって来ていたが、今年は来ないなーと首を長くして待っていた。
やっと見つけた初ものはなぜか常磐を通り過ぎて、いきなり北海道函館産である。
常磐の小ヤリ何処へ? 豊洲まで探しにいかないと見つからないのかも知れない。
材料を揃えてあとは炒め始めればいいのだ

八王子総合卸売協同組合、マル幸で初小ヤリを400gほど買って来た。この3分の2でトマト煮込みを作る。
昔は小ヤリであっても、げそを外して墨、ワタ(消化器)を除去していた。煮つけにして墨が残っていると汚く感じるからでもある。この手間を最近省いている。面倒くさいのもあるし、意外にもワタに味があるからだ。
さて持ち帰ったら、ざっと流水で洗って水分をきる。
野菜はズッキーニ、赤く辛くない唐辛子、青く辛い唐辛子、ピーマン、にんにくを適当に切る。要は冷蔵庫にたまった半端な野菜の整理なので、あるものだけ、である。
たっぷりのオリーブオイルでにんにくの香りだしをする。
野菜、小ヤリを炒めてほどよく炒まったらルビーポート(甘めの赤ワインでも)を加える。
煮込み時間はお好みで

ヤリイカトマト煮込み
市販のハーブブイヨン、月桂樹の葉、トマト缶を手でつぶしながら入れる。
塩コショウする。
15分前後煮て、味見して場合によっては塩をして出来上がる。
こんなに短時間で、トマト缶と安い小ヤリと残り物の野菜だけで、気分はイタリアンなトマト煮込みとは、最高ではないか。