カラフトマスの素敵な親子丼
北の果ての相泊でカラフトマスをいただく
今回の北海道羅臼旅では羅臼町の道を、市街地からさらに北に向かう。知床半島の、道路上最北の地が相泊である。
霧の中、まだ明け切らない道ではエゾジカやキタキツネとなんども遭遇し、エゾジカの飛び出しに間一髪で事故を回避したり、という道中だった。
相泊漁港は定置網が盛んなところらしく、思った以上に大きな港だった。岸壁近くに人が見えた。
最初に出合ったのは孤独顔のキタキツネで、誘われるように進むと、眼の大きな漁師さんが立っていた。
賄い用を分けていただく
選別済みの魚を見せて頂くとサクラマス、カラフトマス、マカスベ(メガネカスベ)、磯カジカ(ギスカジカ)しか残っていなかった。要するに賄い用である。
「カラフトマスいいですね。東京ではめったに手に入りません」というと、「あげるよ」と言っていただいた。
喜んでいただいてくるのがボクの流儀というもので、内心小躍りするくらいにありがたかった。
小型定置、海進丸さんに感謝!
小粒だがサケに負けたいないマスイクラ
さて北海道のカラフトマス漁はこれからではないか? 帰宅後、宅配便で届いた個体を撮影、解体したら子持ちだった。きれいなマス子でさっそくイクラに加工する。
我が家のイクラ作りは、水温70℃くらいの湯をかけてほぐす。卵膜や血管などをのぞき、流水でていねいに洗う。ザルにペーパータオルを敷いた中で水切りをし、弱塩にする。
非常に塩分濃度を低く作ったので2日かき混ぜながら寝かせ、1日で食べきる。カラフトマスのイクラは卵粒が小さいもののとてもおいしいのである。
市販よりも弱塩の塩マスを作る
身はこれまた弱塩にして1日寝かせて塩蔵マスにし、片身はさらに2日ほど乾燥させた。
6月末のカラフトマスは抱卵個体なのに脂があった。塩蔵したものを焼いて食べたら最高だった。近年、塩気が強いのがダメなので、保存性を犠牲にしてまでの弱塩ものは自分で作るしかない。