202304/25掲載

クロダイの西京焼き

3年魚の雄だと思う


西京漬けの地を作ると、もったいないこともあり、当分漬け込みの魚を探すことになる。地は5回以上使えるが、みその風味は徐々に弱くなる。
ヒレグロメヌケ、マサバ、スズキ、オオカミウオと漬けて、今回は近所のスーパーで買った愛媛県産のクロダイをつけ込む。
二枚下ろし骨つき半身で180gくらいなので1尾丸で0.7kg前後だろう。このサイズは雄なので産卵群であってもダメージは低い。愛媛県の産卵期はわからないが触った限りでは身に張りがある。
ちなみにクロダイは大いに食べて欲しい魚ではあるが、昨今の魚の高騰を受けてやや高めである。この知名度のない魚にどれだけ利潤を乗せて売るかという加減はさぞや難しいだろうと思う。小売店というものは大変なのである。
切り身の水分をていねいにとる。今回の切り身は実にありがたいことに背鰭・臀鰭を切り取っていた。一般家庭に鰭など不要である。どうしても鰭が欲しければ丸ごと買えばいいのだ。

みそがむらむらついているのが好き


これを白みそ(西京味噌)とみりんの地に24時間つけ込む。
ちなみにこのとき面倒なので晒しなどは使わない。使うときれいに漬け揚がるが、漬け地のみそが、むらむらついている状態で焼くのが好きなのもある。
これをじっくり焼き上げる。
今回、木の芽をあしらいに使ったが、これは飾りではなく一緒に食べて欲しいからの木の芽である。
クロダイは出世魚である。チン→チンチン→カイズ→クロダイの、カイズだろう、とか、もうクロダイだろう、とか、クロダイ師が騒ぎそうなサイズだけど、ボクはまだまだカイズとみた。ほどよく締まったカイズの西京焼きうまし。

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クロダイのサムネイル写真
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