202303/09掲載

ムールガイのタリアテッレ

春の朝ご飯はタリアテッレ


缶詰などを保存している棚から物を出そうとして、いつも落ちてくる物体がある。タリアテッレが2つだけ入った袋だ。これが煩わしくて仕方がない。整理すればいいだろう、と言われそうだが整理できない質なのだからどうにもならない。
この2つ残ったタリアッテレが頭にあり、八王子総合卸売センター、八百角の前を通ったら、もう「のらぼう」が出ているではないか。東京都多摩地域で広く作られている薹立ち菜で、最近の品種改良が行われている菜花よりもあくというか苦みが強い。タリアッテレに合うのは甘い甘藍、すなわちキャベツの仲間だと思うが、この苦みをタリアッテレに生かせないか?
ついでにトマトを2個買い、八王子綜合卸売市場、マル幸にもどって岩手県産ムラサキイガイ(ムールガイ)を買う。
ムールガイをシェリー酒(白ワインではなくシェリー酒)で蒸し煮にする。煮汁を濾して取って置き、貝殻から外した軟体と一緒にする。
タリアッテレをゆでる。ゆで時間の3分前にのらぼうを適当に切り投入する。
フライパンに多めのバターとオリーブオイル、ニンニクを入れて熱する。香りが立ってきたら生トマトとトマト缶を加え、最後に煮汁とムールガイを加えて少しだけ煮て、塩コショウで味を調えてソースを作る。
あとは茹で上がったタリアテッレとのらぼうを、火を止めたフライパンに入れて和える。
アブラナ科の苦みに、イガイ属(ムールガイ)の苦みを、シェリーの甘味とバターのまったりした味わいが緩和して調和させる。
朝ご飯なのに一升瓶白ワインをいっぱいというのも、春の遅めの朝にはよかろうか。

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ムラサキイガイのサムネイル写真
ムラサキイガイ英名/Blue mussell、Mediterranean Mussel フランス名/Moule commune海水生。潮間帯、硬質底。国内では北海道南部から九州の潮間帯から水深10メートルに付着。原産地は地中海周辺、ヨーロッパ・・・・
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