202303/05掲載

ちりめんじゃこ

しらす干しよりもちりめんじゃこ


四国徳島生まれなので、「しらす干し」ではなく「ちりめんじゃこ」に親しみを感じる。どっちがええか? と聞かれたら迷うことなく「ちりめんじゃこ」だ。
東京住まいになり、また日本各地を旅をするようになると、築地場内、名古屋、大阪の木津市場、本場、京都の七条市場など、いろんな地域や場所で「ちりめんじゃこ」を買うようになる。
そのとき、自分の生まれた県のものを選びがちであった。徳島県人なので「ちりめんじゃこ」はなんといっても小松島和田島・阿南でなければならぬと思い込んでいたのだ。

都内に少ないしらす干し・ちりめん専門店


この手前みそ的な考え方が消えたのは市場歩きに馴れてからだ。目の前にある「ちりめんじゃこ」の中で、いちばんいいものを選ぶようになったのもこの時期からである。
ちなみに築地場内のときから、『日本丸大』という店で買っている。たぶん都内には「ちりめんじゃこ」、「しらす干し」の専門店はここしかないと思う。
この点に関しては京都市場がいちばんすごい。これはたぶん山椒ちりめんを始め、「ちりめんじゃこ」の食文化がそのまま食べるだけではなく、ぶぶ漬け的広がり(わかりにくいかも)を持っているからだ。
さて今回『日本丸大』で買った、「ちりめんじゃこ」は兵庫県産である。隣に淡路産があったので、兵庫県のどこで作ったものか、聞こうとしたら次の客が来た。まあ、兵庫県の「ちりめんじゃこ」地図は次回兵庫の旅で聞けばいい。
「ちりめんじゃこ」はあまり小さすぎず、透明感があるものがいいと思っているだけで、キロ単価の違いに関しては見てもよくわからない。

スーパーで買うよりも専門店で


良質の「ちりめんじゃこ」は非常に高価だけど、スーパーなどで小袋入りを買うくらいなら専門店で300〜500g単位で買うべきである。
今回はそのままご飯にご飯が見えないくらいのせて、香酸柑橘類(今回はじゃばら)を絞って食べた。これがボクの「ちりめんじゃこ」の基本である。ちなみに初夏になるとすだちがある。ご飯の温もりに「ちりめんじゃこ」が混ざり込んだ味がいちばん好き。丼飯3杯も辞さずだ。

一度湯通しする


蛇足になるがボクは徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)で育った。家族は「ちりめんじゃこ」に湯をかけて少し置き、湯をきって食べていた。

ゆどうしした方が好きになる


昔のことだから砂などが混じっていることが多いので、除去のための行為だと考えていた。ところが最近、この食べ方が好ましく思えるようになってきた。年のせいかしら。

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