202302/28掲載

鳴門ウチノ海のマガキ

徳島県産は小振りなのがいい


徳島県はイワガキで有名であるが、マガキを養殖していることは都内の水産関係者ですら知らない人がいる。
鳴門市は県内でももっとも複雑な海面を有している。北は瀬戸内海、そこから東に行くと鳴門海峡を経て紀伊水道に出る。また島田島、大毛島という橋で結ばれている大きな島があり島を隔てているのが、瀬戸内海から紀伊水道を結ぶ小鳴門海峡だ。そこに大きな内湾、ウチノ海がある。徳島県のカキ養殖が行われているのがこのウチノ海である。
ちゃんと調べなければならないが、ここで生産されているマガキの多くが加熱用ではないかと考えている。
生食用は都内では2回、悦慶邦さんと福永竜也さんの小箱にお目にかかっている。生食用マガキの生産量はわからない。
このあたりも次回徳島帰郷のときに調べる必要がある。
豊洲市場を歩いていたら、最近人気抜群の、有明海産、兵庫県産の小振りのマガキの横に鳴門産を発見した。ボクも未だに阿波の人間なのだろう。後々の予定があるのに思わず買ってしまった。もちろん氷は多めにつけてもらったが、うれしい豊洲土産だ。
残念だったのはやっちゃ場によって温室もののすだちを買う暇がなかったことだ。

じょじょにトップに近づいて欲しい


夕方、さっそくざっと汚れを落とし、剥いては食べ、剥いては食べた。合わせた柑橘類は都内で生産されているという、じゃばらである。
国内最高峰には及ばないものの、それでも十二分にうまい。
小振りで食感がよく、もちろんマガキらしい硫黄分を感じさせるようなうま味が豊かだ。後味もいい。
豊洲の仲卸に言わせると、じょじょにいいものが来るようになっているという。徳島県産が国内トップクラスになる日も近そうだ。

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マガキのサムネイル写真
マガキJapanese Oyster フランス語/huîtres creuse汽水域、内湾。日本全土、東アジア全域。最近ではフランス、オーストラリアなど世界中で養殖されている。フランスなどでの生・・・・
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