202509/08掲載
新潟市、越後新川の生物・食物図鑑4 クロウシノシタ
ウシノシタ科は若いときと成長したときの違いが大きい

新潟県西区五十嵐新川漁港周辺の生物・食物図鑑を作っていく。
新川漁協やその周辺には自然界にも、食べ物にも詳しい猛者がたくさんいる。
この猛者とともに自然界、波打ち際で見つけた生物の3番目は砂浜にいるネズリの子だ。
砂の上でぴたぴた跳ねているのを見るまで、まさか手づかみで波の中にいる魚をつかまえる人がいるとは思わなかった。
全長70mmしかないので、ウシノシタ科の魚であることはわかったが、そこから先は見当がつかない。
マクロ撮影して拡大してその正体がわかった。
表にしたり、裏返したりしてもその場では小さすぎて同定できなかった

薄い褐色の地に薄い褐色の丸い文様が美しい。
ウシノシタ科でこんな模様がある魚がいるんだろうか? と、ようく見ると口ひげがある。
本州に棲息しているウシノシタ科の魚で、口ひげがある魚と言えば、クロウシノシタしかいない。

水中眼鏡を持っていたら、きっと本種が見つけられたはず、と思って、いやいや、絶対にそれは不可能とみた。
手探りで手に触った魚をつかみあげる。
それにしても島谷将之さんは野人である。
波打ち際はプランクトンを始め微少な生物の宝庫だ。
これが魚を育てる糧となる。
波打ち際は魚のゆりかごなのだ。
これがやがて成長すると漁業対象となる。
当然、稚魚などは遊んだあとは放流する。
協力/島谷将之さん・星野健一郎さん(拓洋丸)・中務謙吾さん(すべて新潟県新潟市西区五十嵐新川)