202302/17掲載

イナダそば

「かしわそば」があるなら「イナダそば」があってもいい


市場歩きで、水氷の荷に手を入れると、痛いくらいにつめたい日があり、また春めいた日もある。市場の花屋には春の花が並んでいて、魚屋に並ぶサヨリにも春を感じる。
春らしい貝やサヨリを買いがてら、イナダを探す。境港産イナダ(ブリの体長40cm前後)と比較するためだ。イナダを見つけては買い、念のために境港産も買い足したので、我が家はイナダだらけになった。
画像を撮って、脂ののりを確かめたり、あれこれするがとても食べきれない。普段は生か煮るか焼くかだけど、今回はいちばん量が食べられる煮るに徹して麺にしてみた。
イナダの身は食感、上品な味わいなど、どちらかというと鶏ささみに似ている。「かしわそば」があるなら「イナダそば」があってもいいじゃないか? ということで日本そばを作る。
まずは「かしわそば」の要領でそばつゆでイナダの切身を煮る。ただし魚からだしが出るので、だしに水を少し加える。メジカ節(マルソウダの節)と昆布でとった出汁(だしの素を使ってもいい)と、水を合わせて酒・みりん・醤油でつけつゆ程度の濃度にして一煮立ちさせる。好みで砂糖を加えてもいい。
これで軽くイナダの切り身を煮る。鍋止めして冷めるまで置く。
イナダを取り出し、煮汁にだし少量と水を足して、醤油などを足すなどして加減してかけつゆにする。
そばは乾麺でも蒸しそばでも生そばでもいい、ゆでるなり温めるなりして丼に入れて汁をそそぎ、イナダを並べて振り生姜をする。
実際に料理する時間は10分以下、超簡単朝ご飯の出来上がりである。腹に優しい、朝ご飯らしい朝ご飯で、昼も「いなだそば」で乗り切る。

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ブリJapanese amberjack海水魚。北海道〜九州南岸、[鹿児島県種子島]、希に沖縄県、オホーツク海、太平洋、瀬戸内海、日本海、東シナ海。朝鮮半島・・・・
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