202302/12掲載
境港のイナダ
鰓蓋にはっきり締めた痕
クリックで閉じます
流通の場で荷(魚の流通で使う発泡の箱)に境港とあると、その魚は鳥取県産になる。ただ境港は島根県・鳥取県両県の水揚げ港なのでどこでとれたものかわからない。荷受け(水産大卸)などでは知られていることだが、境港はどこの県にも所属しない不思議なところなのである。
こんな前置きをするのは、今回のイナダサイズ体長40cm前後のブリが非常によいものであったためだ。鰓蓋に真横に刃物が入った跡がある。ここから脊椎骨を切ったとすると釣りものか? 定置網ものであるか? 冬の日本海で定置網入っているのかな? などと思うもののまだ調べていない。
過去に神奈川県三浦半島毘沙門のイナダ(ブリの若い個体)のよさが東京築地場内をわかせたことがある。高値がついて手に入れたくても手に入らないといった状況だった。
もちろん今回のものは鮮度的にはそこまでではないが、境港から送られてきているのにこの鮮度、この身質はすごいと思う。
残念なことにイナダ値段で安値だったが、個人的には高値でも買いたいと思う、そんな上物であった。
ちなみに境港・米子などの鳥取県、島根県島根半島・出雲で今回の体長40cm・1㎏前後は、ヤズだったりハマチだったり、イナダだったりする。
過去に米子のバアチャンなどにブリの呼び名を聞いて、60cmくらい以上はマルゴ→ブリだったが、今回のサイズを聞いて頭がこんがらがったことがある。とにもかくにもこの境港産のイナダ、もしくはヤズ、もしくはハマチはうまい。
背の身の味わいもよし
クリックで閉じます
さて、安いのに刺身にしてきれいなことに驚く。口に放り込むとこんどはうま味が豊かであることにもまた驚く。
背と腹で味が違っているのはブリでは、イナダクラスからだ。今回のものは背の部分にも脂が感じられたのがすごいと思う。